はしがき監護者の権利義務、養育費の履行確保のための諸制度、親子交流など、父母と子をめぐる重要な改正事項を含む令和6年民法等改正(いわゆる家族法改正)がなされた。改正事項は多岐にわたるが、冒頭に指摘したとおり改正の柱は「子の利益」である。 今般の改正のインパクトは社会的にも法曹実務においても非常に大きく、実務の運用を含め、今後の家族を取り巻く状況がどうなるのか戸惑いや不安の声も少なからず出ているところである。その中において、当事者の相談に対応し、代理人として活動する弁護士には、とりわけ、各改正事項の趣旨と内容を正確に理解、把握するとともに、改正の柱とされた「子の利益」を意識した実務対応が求められるといっても過言ではない。そのため、改正された各制度や条文などの趣旨・内容等に関する解説、そして、具体的な事例に際して、どのように検討し、見通しを立て、実際の対応を行っていけばよいかなどといった点についても言及した解説等の需要は大きいと考えられる。 日本弁護士連合会家事法制委員会では、こうした需要に応え、改正の趣旨にかなった運用を実現すべく、有志で執筆し本書を刊行することとした。本書は、知りたい事項について端的に確認できるようQ&A形式とし、各改正事項等に関するQと具体的な相談事例を想定したQを設けた。前者については、各改正事項の趣旨、経緯、内容等について解説するとともに、子の利益や親権、監護権などの概念や子どもの手続代理人や養育計画など施行後の実務に関連する重要な点についての解説も行っている。また、後者については、関係する改正内容を概説した上で、弁護士として考えられる対応や留意点についても可能な限り言及を試みた。これらは、改正内容の正確な理解を確保するとともに、実際のケースに落とし込んだときに、改正事項がどう影響することになるのか、代理人としてどう見通しを立て対応していけばよいのかについての道筋を示したものであり、本書の大きな特徴といえよう。 施行前において改正に関する情報・解説はなかなか公表されず、また十分ではなかったため、執筆には多くの苦労が伴うこととなった。少ない情報量の中で各設問の執筆に尽力いただいた執筆者に心から御礼申し上げたい。 そして、本書においては、日弁連家事法制委員会委員長の中村多美子弁護士をはじめ、増田勝久弁護士、櫻井美幸弁護士、池田清貴弁護士(法制審議ii
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