はしがきvi等に登載され,公になっている裁判書(判決書,決定書をいう。)中の裁判例の要旨を掲載した。掲載した裁判例は,いわゆるリーディングケース(先例となるような裁判例)を重視した。リーディングケースとして現在においても意義を失っていないものは,どんなに古いものであっても掲載した。最高裁の判例は,そのほとんどがリーディングケースといえるが,下級審の裁判例であっても,その後同旨の判示が繰り返されている場合は,リーディングケースといえる。どの裁判例を取り上げるかという取捨選択については,編著者の責任において行ったものであり,掲載した裁判例の判示内容が現在の国側の訴訟上の主張内容や行政解釈に沿っているものとは限らない。また,異なる判示内容の裁判例もあり,あえて取り上げなかったものもある(もっとも,このような裁判例は,上訴審で変更されたり,その後に本書で取り上げた別の裁判例が新たに出て,当該別の裁判例の判示内容がリーディングケースとなっていることも多い。)。裁判例やその要旨の取捨選択に当たっては,「実務裁判例」のほか,「入管関係法大全」,「出入国管理実務六法(令和8年版)」等に掲載されているものを参考にした。また,とりわけ補章に掲載した裁判例については,「有斐閣判例六法(令和8年版)」に掲載されているものも参考にした。このようにして,本書には,計 246 件(一つの裁判書の複数の裁判例要旨を掲載しているものがあり,裁判書の数としては 205 件)の裁判例要旨を掲載した。第1章から第8章までは,入管法に関係する裁判例を,入管法の体系に沿って整理し,掲載した。第9章は,行政法理論,行政訴訟に固有の裁判例を掲載した(行政法理論に係るものであっても,裁量権,立証責任など,入管法と密接に関係するものは,第8章までの関係部分に掲載した。)。もちろん,本書だけで入管法の全体像を把握することはできないと考えられるが,「入管関係法大全」その他の書籍における入管法の逐条解説等とあわせることにより,
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