iii監修の言葉多 賀 谷 一 照審査し,不適合であれば違法として取り消すという仕組みが取られている。これに対し,英米法的なシステムの影響を受ける入管法では,訴訟はそれぞれの行政過程(例えば入国審査,口頭審理,異議申出に係る裁決)の適否を個別的・手続的に確認するものとなるため,実体法的な評価が前面には現れにくい。なお,入管法第7章の2の難民認定等は,昭和 56 年に新たに導入されたものであり,認定権限は法務大臣に属し,その下位の行政機関は補助機関的に扱われている(61 条の2,61 条の2の 17 第2項・第3項)。〈5〉最後に,外国人の入国と出国という二点把握を越える中長期在留者制度に関する判例は多くはないが,「点」(出入国)ではなく,一定期間在留するという「状態」(在留状態)に関する法的把握は,他の行政作用法と共通する課題である。すなわち,行政機関から許認可を受けた者が,その期間中に条件を遵守しているか否かを監督し,把握し,指導・警告するという業務である。中長期在留者に対しては,監督とその在り方に対する事後的評価という,他の行政作用法と同じような仕組みが今後構築される可能性がある。また,難民認定という後発的に設けられた仕組みについては,難民条約の解釈という国際機関の権限と関係し,国内の裁判官や行政機関の権限は一定の制約を受ける。なお,既存の在留資格に該当しない,かつ難民と認定できない外国人の流入に如何に対応するかは先進諸国に共通する課題である。我が国においても第三国定住難民として,「一定の在留期間を指定して居住を認める者」を「定住者」告示の対象としているが,今後国内法として新たな仕組みの構築が求められる可能性がある。令和8年(2026 年)3月
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