3 改廃権限を適切に定めること附属規程作成の留意点viiiさらに深刻なのは、規程間に矛盾が生じることである。例えば、寄附行為では「理事会が定める」としている事項について、下位規程では「常任理事会が定める」としていると、どちらに従えばいいのか分からなくなってしまう。おそらく、当初はどちらも同じ内容だったのに、何度も改正を繰り返すうちに作業に漏れが生じ、矛盾する複数の条文が生まれてしまったのだと推測される。世間に出回っている学内規程のひな形には、堂々と重複規定を置いているものがあるが、ひな形はあくまでひな形にすぎず、正解を示すものではない。各学校法人の実情に合わせてアレンジをするべきであるし、ひな形に誤りがあれば修正を加えるべきである。寄附行為施行細則などの寄附行為の附属規程の制定改廃の権限は、法令で定められていない。寄附行為作成例78条が細則の制定は理事会決議で行う旨を定めていることから、同じ規定を寄附行為に置き、寄附行為施行細則にも「この細則の改廃は、理事会の決議によって行う」旨の規定を置くことが一般的である。ところが、寄附行為施行細則の条文で、理事会決議以外の方法で改廃する旨を定める例が散見される。例えば、「この細則の改廃は、理事会の決議を経て理事長が行う」「この細則の改廃は、常任理事会の決議によって行い、理事会に報告する」といったものが挙げられる。このような条文を細則に置き、実際にこのような手続で細則の改正等を行うと、細則全体が法的に無効となりかねない。附属規程に改廃権限の条文を置くときは、寄附行為などの上位規程と矛盾が生じないようにしなければならない。
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