工場財団に関する登記/第2節 工場財団に関する登記あって、1個又は数個の工場について設定されたものであることを要する(同法8条1項前段)。したがって、1個の工場について設定されている工場財団の分割が認められないことは、当然のことである。 工場が1個であるか数個であるかは、工場財団登記簿の登記用紙の表題部における工場財団の表示(工場の名称及び位置、主たる営業所、営業の種類。同法21条1項1号から3号)の記載に基づいて判断することになる。すなわち、工場財団の分割の登記を申請する場合には、当該工場財団の登記用紙の表題部に、工場財団の表示として、数個の工場が記載されていることを要する。したがって、工場財団の設定当時は1個の工場であったものが、後に数個の工場となった場合には、工場の追加による工場財団の表示の変更の登記(前掲【書式5】(83頁)参照)と工場財団目録の記載の変更の登記をした上で、工場財団の分割の登記を申請することになる。② 抵当権者が、抵当権の消滅につき承諾すること 抵当権の目的である甲工場財団を分割して、その一部を乙工場財団としたときは、当該抵当権は、乙工場財団について消滅するとされ(同法42条ノ2第2項)、その場合の工場財団の分割は、抵当権者が、乙工場財団について抵当権の消滅を承諾しなければ、することができないとされている(同法42条ノ2第3項)。例えば、甲工場財団を分割して甲、乙、丙の3個の工場財団とした場合、甲工場財団に設定されていた抵当権は、乙及び丙の工場財団については消滅し、甲工場財団のみに残ることになる。したがって、抵当権の目的となっている甲工場財団の分割は、抵当権者が、特定の一工場財団(分割後の甲工場財団)を除くその他の分割後の工場財団の全て(乙及び丙工場財団)について、抵当権の消滅を承諾しなければ、することができない。 なお、抵当権が数個ある場合においては、各抵当権者が分割により抵当権の消滅を承諾する分割後の工場財団は、全て一致していなければならない。例えば、上記の事例において、甲工場財団の抵当権者Aは乙工場財団についてのみ、抵当権者Bは丙工場財団についてのみ、それぞれ抵当権の消滅を承諾したとしても、甲工場財団の分割は、132
元のページ ../index.html#38