工書
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第9 工場財団の所有権の移転の登記第9 工場財団の所有権の移転の登記 工場財団は、工場財団登記簿に所有権保存の登記をすることによって成立し(工抵法9条)、1個の不動産とみなされる(同法14条1項)。 工場財団は、所有権及び抵当権の目的とすることができるから(同条2項本文)、その所有権を第三者に移転することが可能であり、相続や会社合併等の一般承継による移転はもとより、売買、贈与、交換、代物弁済等の特定承継による移転も可能である。そして、所有権の移転の第三者対抗要件が、工場財団登記簿にする所有権の移転の登記であることは、いうまでもない。 工場財団の所有権が移転した場合、当該工場財団に属する組成物件の所有権も当然に移転する。そして、組成物件である不動産については、当該工場財団について所有権保存の登記がされたときに、当該不動産の登記記録中権利部に工場財団に属した旨が記録されるから、工場財団登記簿に所有権の移転の登記がされれば、その組成物件である当該不動産の所有権も移転したことが、登記記録上、明らかになる。さらに、工場財団の組成物件については、原則として、これを工場財団から分離して個々に譲渡し又は所有権以外の権利、差押え、仮差押え若しくは仮処分の目的とすることはできないとされているから(工抵法13条2項本文)、工場財団の組成物件である不動産には、新たに第三者の権利に関する登記がされることもない。したがって、組成物件である個々の不動産については、所有権の移転の登記をしなくても、対抗要件を備えないことによる通常の不利益を受けることはないと解されるから、登記は不要ではないかとも考えられる。 一方で、工抵法は、工場に属する土地又は建物で所有権の登記のないものについては、工場財団を設定する前に所有権保存の登記を受けなければならない(同法12条)とするなど、工場財団の所有権の登記名義人と当該1851 総 説2 工場財団の組成物件である個々の不動産についての所有権の移転の登記の要否

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