1第第1 死亡一般 戸籍法の死亡の届出には,どのような意義がありますか。第1 死亡一般1(民882条・896条)。このように死亡は,相続の開始原因になり,また婚 人は権利義務の主体でありますが,その者が死亡すると,その者が出生によって取得した権利能力は消滅します。したがって,死亡の届出は人の権利能力の終期を登録するということになります。そして,その者に属していた権利義務は,死亡によって相続人に承継されます姻の解消その他身分法や財産法において重大な影響を与える原因が発生します。 死亡は,前述のように相続の開始など法律上において,重大な影響を及ぼすことになりますので,死亡の事実が発生した場合は,迅速かつ的確にその旨の届出をし,その届出に基づいてその者の戸籍に死亡の記載をし,その事実を公証する必要があります。 戸籍法は,そのため一定の者に対し死亡の届出をすべきことを義務付けています(戸87条1項)。例えば,①迅速正確な届出が期待できる同居の親族などを届出義務者と定め(同条同項),その届出によって戸籍の記載をすることにしています。②また,届出の期待が困難である特殊事情の生じる水難,火災その他の事変による死亡の場合は,その取調べをした官公署の報告(戸89条),③死刑の執行,刑事施設に収容中の死亡の場合の刑事施設の長の報告(戸90条),④航海中の死亡の場合における船長の航海日誌の謄本の提出,又は公設所における死亡の場合の公設所の長の届出など(戸93条・55条・56条)は,①と同様とい11
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