TOPIC3 財産分与に関する経過措置(改正法附則第4条関係) 改正法によって,財産分与の請求期間が2年から5年に伸長されましたが(新民法第768条第2項),この新規定は,施行日前に離婚等をした場合には適用されません。施行日前に離婚等をしている場合の財産分与の請求期間は2年ですので,ご注意ください。4 離婚原因に関する経過措置(改正法附則第5条関係) 改正法は,離婚原因に関する民法第770条第1項第4号(配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないとき)を削除しました。離婚の訴えに係る事件のうち,施行日前に,①控訴審の口頭弁論が終結しているもの又は②第一審の判決に対して上告する権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたものについては,施行日以降も,改正前の例に従って離婚原因の有無を判断することとされています。5 親権者変更の請求に関する経過措置(改正法附則第6条関係) 現行法における親権者変更は,親権者を他の一方に変更するというものですが,新規定(新民法第819条第6項)は,親権者について,「一方から他の一方」への変更だけでなく,「一方から双方」への変更や「双方から一方」への変更も可能としています。施行日前に親権者変更の申立てがされている場合でも,事案によっては,家庭裁判所の判断が施行日以降になることも想定されますが,このような場合には,改正前の民法による請求を,新規定による請求とみなすこととされています。 もっとも,改正法附則第6条は,改正法の施行前に,あらかじめ離婚後共同親権への変更の申立てをすることを許容する趣旨ではありません。そのような申立てがされた場合には,改正法の施行を待たずに申立てが却下されることや,調停については調停しないものとして家事調停事件が終了することもあると考えられます。6 民事執行法の一部改正に伴う経過措置(改正法附則第7条関係) 改正法によって,養育費等の債権について,債務者の財産状況の調査とそれにより判明した給与債権の差押えを1回の申立てで連続的に行うことができる制度が導入されます(新民事執行法第167条の17)。この規定は,施行日以降にされた申立てにのみ適用されます。施行準備について 法務省では,引き続き,関係府省庁等と連携して改正法の趣旨・内容に関する周知・広報に取り組んでまいります。例えば,父母の離婚等に関する情報をまとめたウェブサイトの公開等を計画しているところです。 また,法務省では,今年度,改正法の施行に向けて,①共同養育計画の作成促進や,②父母の離婚等を経験する子の養育について子の意思の把握・反映の在り方について調査研究を実施しています。 改正法の施行に向けた取組については,今後,以下の法務省のウェブサイトで紹介していく予定ですので,是非ご覧ください。【法務省ウェブサイト「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について」】家庭の法と裁判─Family Court Journal No.59 / 2025.1246チルドレン・ファースト
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