第2版 学校内弁護士

学校現場のための教育紛争対策ガイドブック
本体 ¥ 2,400
¥ 2,640 税込

著者:神内聡/著
判型:A5判
ページ数:240頁
発刊年月:2019年8月刊
ISBN/ISSN:978-4-8178-4581-8
商品コード:40641
略号:学弁

商品情報



日本で最初の教師兼弁護士が執筆!
「現役教師が書いた法律実務」「弁護士が書いた教育実践」

● いじめ、学校事故、保護者対応などの典型的な教育紛争の事例について、教師兼弁護士の視点からQ&A形式で紛争の予防策と解決策を解説。
● 実際に学級担任を務める著者だからこそ感じる「スクールロイヤー」の存在意義と今後の役割について考察。

64問のQ&Aで著者が実際に用いている法的解決手段を提示する
活きた教育紛争対策サポートガイドブック!

目次

序 章 本書を読まれる方へ
 1 弁護士が教師をやってみて感じたこと
 2 「学校内弁護士」が考える今の教育問題
 3 学校内弁護士とスクールロイヤーの違い
 Break Time 1 スクールロイヤーは学校の代理人?

第 1 章 教育紛争の法的責任
Q1 教育紛争の法的責任について
学校で事故が起きた場合、学校はどのような責任を負いますか。また、保護者が「事実関係の説明」「謝罪」「損害賠償」を学校に求めてきた場合、どのように対応すればよいでしょうか。

Q2 教員の法的責任-学校事故の法的責任
学校で事故が起きた場合、教員はどのような法的責任を負いますか。また、部活動中の事故も同様に考えるべきでしょうか。

Q3 教員の法的責任-学級担任の法的責任
小学校6年生の自習時間中、学級担任が一時的に教室から職員室に戻った間に、日頃から悪ふざけや不注意な言動が目立つ児童Aが、児童Bに対して消しゴムを投げ始め、怒ったBが消しゴムを投げ返したところ、Aの目に当たって怪我をしました。学級担任は法的責任を負うでしょうか。

Q4 教員の法的責任-部活動顧問の法的責任
中学校のサッカー部の朝練中に、生徒の蹴ったボールが他の生徒の目に当たって怪我をしました。顧問である教諭は朝練に立ち会っておらず、サッカーの経験はありませんでした。この中学校では朝練には顧問が立ち会うように校長が指導していましたが、朝練の立会いに手当などは支給されていません。顧問は法的責任を負うでしょうか。

Q5 教員の法的責任-管理職の法的責任
校長は、小学3年生のあるクラスの担任を新人教員に命じました。ところが、このクラスは小学2年生時に問題を起こした児童が多数含まれており、一学期の途中から学級崩壊状態になってしまいました。また、問題行動の多かった児童Aらが、児童Bに対していじめを行っていたことも判明しました。校長は法的責任を負うでしょうか。

Q6 学校設置者の法的責任
教員の法的責任が認められた場合、区市町村や学校法人などの学校設置者はどのような法的責任を負いますか。また、教員個人の法的責任は認められなくとも、学校設置者の法的責任は認められる場合はあるでしょうか。

Q7 児童生徒の法的責任
児童生徒が他の児童生徒や教員に被害を与えた場合、どのような法的責任を負いますか。また、損害賠償などはどのように処理されるのでしょうか。

Q8 保護者の法的責任
児童生徒が他の児童生徒や教員に被害を与えた場合、保護者はどのような法的責任を負うでしょうか。

Break Time 2 教員の仕事の評価
--どちらが難しい? 進路指導と生徒指導


第 2 章 具体的な教育紛争の解決手法
第 1 節 教育紛争の初期対応
Q9 教育紛争における心構え
教育紛争を解決するに当たって、最も重視すべきことを教えてください。

Q10 教育紛争の特徴と原因
教育紛争の特徴と、教育紛争が生じやすい原因について教えてください。

Q11 初期対応の類型化
教育紛争ではどのような初期対応が望ましいでしょうか。

Q12 初期対応で用いる「言葉」
初期対応の際には、保護者に対してどのような「言葉」を使えばよいでしょうか。保護者に対して「申し訳ありません」という言葉を用いれば、法的責任を認めたことになってしまうのでしょうか。

Q13 保護者からの文書回答要求や録音への対応
初期対応において、保護者が文書での回答を要求した場合や、面談内容を録音している場合には、どのように対応すればよいでしょうか。

Q14 初期対応における紛争の「当事者」化と個人情報の提供の判断基準
初期対応の際に、被害者が加害者と直接交渉したいと希望している場合は、それを認めてもよいでしょうか。また、加害者の住所などの個人情報の提供を求められた場合、これに応じてもよいでしょうか。

Q15 初期対応における被害者への対応
初期対応において、被害者やその保護者への対応として注意すべきことは何ですか。

Q16 初期対応における弁護士の関与
初期対応の段階で、保護者に対して「弁護士と協議する」ことを伝えれば、保護者が態度を硬化させ、保護者も弁護士を付けてくることになり、紛争が長期化する可能性はありませんか。

Q17 初期対応における学年主任を軸にした弁護士の助言
初期対応において弁護士の助言を受ける際に、最も有用な教員を教えてください。

Break Time 3 日本の担任の先生
--アメリカやイギリスとどこが違う?


第 2 節 学校事故
Q18 学校事故と危険性の高い教育活動
「柔道」や「組立て体操」など、危険性が高い教育活動を行う場合に、教員の法的責任が認められる可能性は高まりますか。高まると考えた場合、そのような教育活動を学校で実施する必要性はあるでしょうか。

Q19 学校の設置物に関する事故
学校の設置物に関して事故が起きた場合に、学校の法的責任の成否を判断するポイントを教えてください。

Q20 学校事故を防止するための危機管理体制
学校事故を防止するためには危機管理体制を構築する必要がありますが、その際に注意すべき点を教えてください。


第 3 節 いじめ
Q21 いじめの定義
いじめの被害者の保護者から、「子どもがいじめられていると感じればいじめであり、学校は賠償すべきである」と言われました。学校はどう対応すべきでしょうか。

Q22 いじめと法的責任
学校でいじめが発生した場合、学校と加害者はそれぞれどのような法的責任を負うでしょうか。

Q23 いじめと当事者対応
学校は、いじめの被害者と加害者に対して、どのような対応をとればよいでしょうか。

Q24 いじめの被害者対応のポイント
-被害者に対する加害者の個人情報の提供
被害者の保護者から「うちの子がいじめられたので、加害者の連絡先を教えてほしい」と言われました。学校は加害者の連絡先を教えてよいでしょうか。また、いじめの調査を行った場合、加害者の氏名等を被害者に教えるべきでしょうか。

Q25 いじめの調査と加害者対応のポイント
いじめの調査におけるポイントは何ですか。

Q26 いじめ防止対策組織と専門家の関与
いじめ防止法では、学校に「いじめ防止対策組織」を設置することを義務付けていますが、この組織にはカウンセラーなどの専門家を構成員にする必要はありますか。

Q27 いじめに関する定期的調査とアンケート調査の必要性
いじめ防止法ではいじめを早期に発見するため、学校に対し、定期的な調査を義務付けていますが、どのような調査が望ましいでしょうか。例えば、アンケート調査は必ず実施したほうがよいでしょうか。

Q28 ネットいじめ
いわゆる「ネットいじめ」に対しては、どのように対処すべきでしょうか。

Q29 啓発活動
いじめ防止法が制定されて以降、学校では弁護士による「いじめ防止出張授業」をはじめ、いじめ防止に関する啓発活動が盛んですが、注意すべきことは何でしょうか。

Q30 いじめの責任追及と学校と家庭の役割分担
いじめの責任を追及する際に重要なことは何でしょうか。

Q31 いじめにおける学校設置者などの組織的責任
いじめの事案において、教員の個人的責任ではなく、校長の管理責任や教育委員会などの組織的責任を直接追及することは法的に可能でしょうか。

Q32 海外におけるいじめ対応
海外におけるいじめの対応について、日本との違いを教えてください。

Break Time 4 いじめって本当に予防できる?


第 4 節 体罰
Q33 「体罰」と「懲戒」の区別と建設的な議論の必要性
授業中の私語が多いある生徒に対し、何度も注意をしても全く改善せず、他の生徒への授業妨害が続いているため、腕を引っ張って教室の外に出そうとしたら、「手を出したら『体罰』になるぞ」と挑発されました。このように授業を妨害し、教員の指導に従わないどころか、教員を挑発するような生徒であっても、手を出したら「体罰」に該当するのでしょうか。

Q34 体罰教員に対する処分基準と被害者対応
体罰を行った教員に対して、被害生徒と保護者が解雇するよう学校に要求しています。体罰を行った教員は、直ちに解雇すべきでしょうか。

Q35 教員の暴言など「言葉の暴力」
教員の暴言など、いわゆる「言葉の暴力」についても、体罰と扱うべきでしょうか。


第 5 節 不登校
Q36 不登校の種類と保護者の就学義務
「不登校」にはどのような種類がありますか。

Q37 不登校への対応のポイント-年齢主義の弊害
不登校の児童生徒に対応する際には、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。

Q38 「不登校」と「いじめ」
30日以上欠席している生徒の保護者から、「いじめが原因で不登校になっているので、学校は責任を持って単位を認定すべきである」と要求されました。その生徒がいじめを受けているという情報はなく、むしろ、家庭の問題に関する情報が得られているのですが、このような場合であっても、学校はいじめの調査をしなければなりませんか。

Q39 「不登校」と医師の診断書及び学校外施設での単位認定許可
不登校の生徒の保護者から、「医師から『解離性同一性障害』であると診断された。本人はフリースクールに通いたいと言っているので、学校で単位を認めてほしい」と要求されました。学校はどうすべきでしょうか。

Q40 不登校と学校徴収金
二学期より不登校状態になり、2か月近く小学校に登校していない生徒の保護者から「不登校中の給食費を返還してほしい」という要求があったのですが、学校はどのように対応すればよいでしょうか。

Break Time 5 教師ってどんな人が多い?


第 6 節 保護者対応
Q41 保護者対応のポイント
保護者のクレームに対応する際には、どのようなことに注意すればよいですか。

Q42 別居中の保護者への対応
別居中の保護者に対しては、同居親と別居親の両者に連絡すべきでしょうか。同居親から、「別居親には子どもの成績や学校行事などの情報を絶対に知らせないでほしい」と要求されている状況で、別居親から「子どもの情報を教えてほしい」と要求された場合、どのように対応すべきでしょうか。

Q43 虐待が疑われる保護者への対応
実際に虐待を受けたのではなく、虐待を受けていると疑われる生徒の保護者に対しては、学校はどのように対応すべきでしょうか。

Q44 PTAの法的性質
PTAへの加入を拒否し、会費の納入も拒否している保護者に対しては、どのように対応すべきでしょうか。

Break Time 6 教員の賞罰はどこまで書くべき?


第 7 節 学校運営
Q45 教員の守秘義務と安全配慮義務の優劣
教師Tは担任クラスの生徒Aから「自分は同じクラスのBをいじめていた。先生にだけには話すので、他の先生には内緒にしてほしい」と言われた場合、どう対応すればよいですか。また、養護教諭やスクールカウンセラーが同様のことをAから言われた場合、どう対応すればよいですか。

Q46 校則の合理性と茶髪指導
私の中学校では校則で「中学生らしい頭髪をすること」と規定されており、茶髪で登校した中学生に対して、黒に染めて登校するように指導し、そのまま帰宅させたところ、保護者から「茶髪は法律で禁止されていない。不合理な校則により子どもの学習権が侵害された」と苦情がありました。学校はどのように対応すればよいでしょうか。また、この生徒の地毛が茶色である場合、地毛であることの証明書(地毛証明書)を提出させてもよいでしょうか。

Q47 児童生徒・保護者との連絡手段
本校では児童生徒及び保護者との連絡手段は電話と郵便のみで、メールやアプリ(LINE等)での連絡を禁止しています。こうした連絡手段の制限について、法的問題はあるでしょうか。

Q48 校内での私物の物損
中学校の生徒Aが生徒Bから借りたデジカメ(時価10万円相当)をイスの上に置いていたところ、生徒Cが誤ってイスに座ってしまい、Bのデジカメを壊してしまいました。損害賠償関係はどうなるでしょうか。

Q49 宿泊行事中の飲酒と教員の勤務時間の考え方
修学旅行中に生徒が消灯した後、教員たちが部屋で飲酒をしていたことが保護者からの苦情で発覚しました。教育委員会は信用失墜行為に該当するとして、当該教員らを懲戒処分することにしましたが、妥当でしょうか。

Q50 卒業生の保護者からの贈呈品
公立小学校の卒業式の際に、学級担任をしていたクラスの保護者から子どもがお世話になったお礼ということで、商品券を贈呈されましたが、そのまま受け取ってよいでしょうか。

Q51 報告書の記載内容と情報公開請求
いじめや体罰、学校事故などに関する報告書を作成する際にはどのような点に注意すべきでしょうか。また、報告書が後日情報公開請求された場合にはどのように対応すべきでしょうか。

Q52 教員の成績評価権と校長の課程修了認定権
私の高校では教務上の慣習として、授業担当教員が5段階評定で1の評定を付けた生徒は留年にしています。そのような中で、ある科目を担当する教員が、定期試験の成績が非常に悪い上に、出席状況が良くなく提出物も出さない生徒に対して1の評定を付けました。ところが、校長はできる限り留年者を出さない学校方針を打ち出していることから、教務上の慣習に反してこの生徒の課程修了を認めて進級させました。こうした扱いには問題はないでしょうか。

Q53 生徒の個人情報管理
緊急連絡網の作成について、個人情報の記載に同意しない保護者がいる場合、緊急の連絡先などはどのように扱えばよいでしょうか。

Q54 学校徴収金の取扱い(教材費・部活動費・給食費など)
教材費や部活動費などのいわゆる学校徴収金については、どのように取り扱えばよいでしょうか。また、給食費に関してはどのような点に留意すればよいでしょうか。

Q55 生徒の政治的活動
高校3年生の生徒が学校で特定の政党を支持する新聞を無料で配布していますが、これを禁止することは可能でしょうか。また、学校外でこのような行動を禁止することは可能でしょうか。

Q56 授業内容の政治的中立性
社会科の授業において、特定の政党を批判する内容の授業を行う教員がいる、という保護者からのクレームがありました。授業内容の政治的中立性についてはどのように考えればよいですか。

Q57 著作権と学校教育
学校で著作物を扱うルールが分かりづらいのですが、どのようなルールを理解しておけばよいですか。

Q58 中学留学の法的問題点
中学生の子どもを海外の学校に留学させることは可能でしょうか。

Q59 インターナショナルスクール卒業生の受入れ
私立中学校において、インターナショナルスクールに在籍する児童(小学生相当)と日本国籍を有するその保護者から、当該私立中学校に進学したい、という申し出がありました。どのように対応すべきでしょうか。

Break Time 7 法教育の必要性


第 8 節 外部専門家の関与
Q60 スクールカウンセラーの守秘義務
不登校が続く生徒がスクールカウンセラーのカウンセリングを受診したので、担任がカウンセリング結果を教えてほしいと話したところ、生徒との詳細なカウンセリング内容は守秘義務のため学校に報告できないと回答されました。当該生徒はクラスの人間関係に悩んでおり、担任が事前にクラスの生徒から聴取した情報と当該生徒及び保護者から得た情報が食い違っているため、担任としてはスクールカウンセラーが得た情報はぜひ知りたいと考えています。スクールカウンセラーの守秘義務に関してはどのように考えればよいでしょうか。

Q61 医師の診断書の扱い
医師の診断書に「『いじめ』が原因で不登校になっている」などといった因果関係や事実関係を示す記載がある場合、学校はどのように取り扱うべきでしょうか。


第 9 節 特別支援教育
Q62 特別支援学級への転籍を保護者が拒否した場合
小学校の普通学級に通学する重度の心臓疾患を抱えた児童に対し、特別支援学級への転籍を促したところ、保護者がこれを拒否しました。学校としてはどのように対応すべきでしょうか。

Q63 障害者差別解消法と「合理的配慮」
ADHDの生徒の保護者から、「子どもの成績が悪いのは発達障害のせいであるから、障害を考慮して他の生徒と同じ授業や試験ではなく、補習やレポートで対応してほしい」という要求がありました。学校としてはどのように対応すべきでしょうか。

Q64 私立学校での障害児対応とインクルーシブ教育
足が不自由で車いすが必要な子どもが、家から近く、大学進学実績も高く、エレベーターも設置された私立学校である本校の受験を希望しています。しかし、本校は今まで車いすの生徒を受け入れたことはなく、特別支援教育の経験がある教員もいません。どのように対応すべきでしょうか。

Break Time 8 学校内弁護士と学校法務の実践例
-岐阜県可児市スクールローヤー事業

改訂を終えて--スクールロイヤーの効果を検証する

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