事案から学ぶ 履行困難な遺言執行の実務

遺言作成後の事情変更、解釈の難しい遺言への対応
本体 ¥ 3,600
¥ 3,960 税込

著者:遺言・相続実務問題研究会/編集 野口大・藤井伸介/編集代表
判型:A5判
ページ数:324頁
発刊年月:2023年1月刊
ISBN/ISSN:9784817848598
商品番号:40936
略号:難遺執

商品情報

相続案件について百戦錬磨の弁護士陣による、
「実務的な視点」「細かい論点」にこだわった一冊

<執筆者>※五十音順
新井教正(弁護士)
川合清文(弁護士)
古家野彰平(弁護士)
塩田慶(弁護士)
田村義史(弁護士)
野口大(弁護士)
髭野淳平(弁護士)
藤井伸介(弁護士)


●著者が実際に担当あるいは見聞した事例をベースに、遺言無効主張をされた場合の遺言執行、遺言作成後の事情変更への対応、相続人不存在の遺言者の遺言執行、作成後長期間経過した遺言、配偶者居住権を遺贈する遺言など、遺言執行が困難な33事例について解説。
●登記申請が認められない場合の対応、予期せぬ逆相続への対応等に関するコラムも充実。

目次

全ての事案に「論点目次」を収録!
★マークは紛争予防の視点

第1章 遺言の履行が困難となる場合の代表的な事例
【事案1】遺言無効主張を受けた場合の遺言の執行について
 <論点>
 ・認知症診断を受けた遺言者の遺言は無効か
 ・自筆証書遺言について偽造を主張されたら筆跡鑑定は必要不可欠か
 ・被相続人の遺言能力の有無を検討するにはどのような資料を調査すべきか
 ・遺言執行者が遺言を無効と判断した時は、どのように対応すべきか
 ・遺言執行者が遺言を有効と判断した時は、遺言無効主張を無視してよいか
 ・遺言執行者の職務執行を停止させるにはどのような手段、方法があるか
【事案2】遺言無効主張をした結果、遺言と異なる遺産分割協議をした事例
 <論点>
 ・認知症などを理由に遺言無効主張をする場合、最初に何を検討すべきか
 ・信託銀行の遺言執行を止めることはできるか
 ・相続人資格者の中に訴訟提起に協力しない者がいても訴えを提起できるか
 ・遺言無効確認訴訟を提起するのにどのくらいの費用がかかるか
 ・遺言無効確認訴訟が決着するまでにどのくらいの期間がかかるか
 ・遺言無効主張をされている場合は、相続税申告をどのようにすればよいか
 ・遺言と異なる遺産分割協議をすることはできるか
 ・認知症で施設入所中の相続人には後見開始申立てが必要か
【事案3】改正相続法施行以前に発生した相続について遺留分減殺請求権が行使された場合
 <論点>
 ・自筆証書遺言に基づいて登記申請する前提として、まずは何をすべきか
 ・「一切の遺産を二男Cに贈与する」との遺言に基づいて相続登記ができるか
 ・遺贈の登記申請をするにつき相続人全員の協力を得られない場合どうするか
 ・遺言執行者選任申立書に遺言執行者候補者を推薦人として記載すれば認められるか
 ・既に遺留分減殺請求の意思表示がなされていても遺贈の登記をしてよいか
 ・既に遺留分減殺請求されている場合に、遺言執行者はどのように対応すべきか
 ・改正相続法施行後の事案において遺留分侵害額請求がなされた場合はどう対応すべきか

第2章 履行困難な遺言文言
【事案4】推定相続人廃除の遺言
 <論点>
 ・推定相続人の廃除とは何か
 ・遺言により推定相続人の廃除をする場合、どのような点に留意すべきか
 ★遺言による推定相続人の廃除を実現するためにしておくべきこと
 ・過去の裁判例では、どのような場合に廃除事由が認められているか
 ・遺言による推定相続人の排除がなされた場合の家庭裁判所での具体的な手続は
【事案5】遺贈あるいは特定財産承継遺言の対象物件を特定し得ない場合(登記官には特定不能と思えても、相続人全員には特定し得る場合)
 <論点>
 ・遺言文言だけでは対象物件の特定が困難な場合、遺言の解釈はどうするか
 ・区分建物登記が未了の長屋建物を複数人に分けて取得させる遺言はどう執行するか
 ・長屋の敷地の一筆の土地を複数人に分けて取得させる遺言はどう執行するか
 ・遺言執行にあたり分筆登記・区分建物登記は誰が行うのか
 ・遺言における「贈与する」の文言はどう解釈するか
 ・共同申請主義の例外として登記権利者の単独申請が可能な場合
 ・遺言文言だけでは登記官が特定不能と考えるであろう不動産の所有権移転登記申請には何が必要か
 ・相続人間で、遺言文言による物件の特定ができず、遺言文言と登記上の物件との対応関係に争いがあるときの解決方法は
 ★長屋の建物土地を分ける遺言執行の労力・経済的負担を避ける代替策や予防策は
 ・遺産である不動産の賃料の収受・分配について、遺言執行者の権限として付与できるか
 ・遺言文言だけでは対象物件の特定が困難な場合、各物件の相続人への帰属は、遺言によらず遺産分割協議により決めることができないか。遺言により決める実際の効用はあるか
【事案6】遺言の趣旨を一義的に明らかにし得ない遺言文言の場合
 <論点>
 ・日付を異にする遺言が複数ある場合どの遺言が優先するか
 ・「続ぞくさせる」の文言はどう解すべきか
 ・予備的に「相続させる」とされた者が誰か一義的に明らかにし得ない場合の解釈
 ★趣旨を一義的に明らかにし得ない遺言の作成を防ぐにはどうするか
 ・自筆証書遺言による所有権移転に必要な登記原因証明情報は何か
 ・「相続させる」とされた者の特定のため、登記原因証明情報として何が必要か
 ・遺言書保管制度を利用する場合の登記原因証明情報は何か
 ・遺言の無効を主張したい場合、原告及び被告となるのは誰か
 ・遺言の有効を主張したい場合、どのような訴訟を起こしたらよいのか
 ・不動産について、相続登記が未了のときと同登記済であるときとで相違はあるか
【事案7】遺言文言の解釈が問題となった事例
 <論点>
 ・遺言文言の解釈あるいは遺言の意思解釈に関する原則的な裁判例はあるか
 ・「一切の預貯金を姪に相続させる」という遺言をどう実現するか
 ・遺言者に姪が3名いた場合はどうするか
 ・遺言者が姪3名のうち2名とは生前には面識がなかった場合はどうするか
 ・相続分譲渡交渉を具体的にどのように進めるか
 ・相続分譲渡を得られない場合にはどうすればよいか

第3章 民法における事情変更への対処のための規定(執行を困難又は不能にする規定)
【事案8】民法965条による民法886条・891条の準用(相続欠格事由)
 <論点>
 ・人工授精と体外受精の異同、生殖補助医療の現行民法での位置づけ
 ・体外受精により懐胎した胎児を受遺者とする遺言は有効か
 ★懐胎前に遺言をした場合に留意すべきこと
 ・第三者提供の精子(卵子)を用いた体外受精児でも相続人となり得るか
 ★非配偶者間の人工授精、体外受精を行う場合に留意しなければならない点
 ・父の意に反した体外受精によって生まれた子は父の遺産を相続できるか
 ★配偶者間の人工授精、体外受精を行う場合に留意しなければならない点
 ・母が胎児を中絶した場合、母は相続人の欠格事由に該当するのか
【事案9】民法985条2項の停止条件(民法991条の担保請求への対処)
 <論点>
 ・停止条件付遺言とは何か
 ・停止条件付遺言と負担付遺言の違いとその判断基準
 ★停止条件付遺言や負担付遺言をする場合に留意すべき事項
 ・遺言者において動機の錯誤があった場合に、遺言の無効を主張できるか
【事案10】遺贈の放棄(包括遺贈の放棄、特定遺贈の一部放棄)――民法986条(民法989条参照)
 <論点>
 ・相続させる遺言や遺贈で財産を取得するとされた者であっても放棄は可能か
 ・遺言と異なる遺産分割協議をすることによって遺贈の一部を放棄することは可能か
 ・遺言執行者がいる場合でも特定遺贈を放棄することは可能か
 ・遺言執行者がいる場合でも相続させる遺言と異なる内容の遺産分割協議は可能か
 ★相続させる遺言と異なる遺産分割協議をする場合に留意すべき事項
 ・遺言と異なる遺産分割協議をした場合に相続税法上の取扱いはどのようになるか
 ・特定遺贈を受けた土地の一部を放棄した場合の登記手続
 ★遺言で取得する土地を分筆する場合の分筆方法
【事案11】受遺者の死亡・相続放棄等による遺贈等の失効――民法994条(民法995条参照)
 <論点>
 ・遺言者と受遺者が同時に死亡した場合にも民法994条1項の適用があるか
 ・民法994条1項は、遺言者の別段の意思の表示により適用を排除することができるか
 ・民法995条ただし書の「別段の意思を表示したとき」に該当するか否かは、どのような事情を考慮して判断されるのか
 ・包括受遺者の一人が遺言者の死亡以前に死亡した場合に、遺言者に相続人がいないとき、他の包括受遺者の受遺分が増加するか
 ・包括受遺者の一人が遺贈を放棄した場合、他の包括受遺者の受遺分が増加するか
 ・全財産を特定の相続人に相続させる旨の遺言の法的性質
 ・全財産を特定の相続人に相続させる旨の遺言がある場合に、受益の推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡したとき、受益の推定相続人の相続人が代襲相続するのか
【事案12】相続財産に属しない権利の遺贈(遺贈の目的物が相続財産中にない場合の処理)――民法996条・997条
 <論点>
 ・民法996条本文は、金銭や不特定物の遺贈についても適用があるか
 ・相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が民法996条ただし書の規定により有効である場合、遺贈義務者の責任の範囲は相続財産の価額の限度に制限されるか
 ・遺言書作成時に存在していた物または権利を遺言者が後に処分ないし破棄した場合、当該物または権利を対象とする遺贈の効力はどうなるか
 ・相続財産に属しない金銭の遺贈について、民法996条ただし書の適用がない場合、遺贈義務者の責任の範囲は相続財産の価額の限度に制限されるか
 ・民法997条2項本文の価額弁償の場合、弁償義務の範囲は、相続財産の価額の限度に制限されるか
 ・遺贈の目的たる権利が遺贈義務者自身に属する場合、遺贈義務者は、当然に当該権利を受遺者に移転する義務を負うか
【事案13】遺贈の履行(権利取得の上、遺贈する)――民法997条
 <論点>
 ・遺贈の目的たる権利が他人に属している場合でも、遺贈義務者は当該権利を受遺者へ移転する義務を負うのか
 ・他人に属している遺贈の目的たる権利を取得できない場合、遺贈義務者はどうすればよいのか
 ・遺贈の目的たる権利を取得するために不相当に多額の費用を要する場合、遺贈義務者はどうすればよいのか
 ・遺贈義務者が価額弁償を行う場合の時価の算定基準時
 ・弁償すべき価額(時価)が相続財産の評価額を超える場合でも、遺贈義務者は時価を弁償しなければならないのか
 ★他人に属している財産を遺贈する場合の留意点
【事案14】相続開始後に履行不能となった場合の取扱い(預貯金解約など)──民法998条
 <論点>
 ・民法909条の2による払戻しが行われた結果、遺言執行時において遺贈対象である預金の残高が相続開始時より減少している場合、遺贈義務者たる遺言執行者はいつの時点の残高を基準とした遺贈義務を負担するのか
 ・民法998条の施行日よりも前になされた遺贈の場合はどうか
 ・遺贈義務者たる遺言執行者は他の相続財産から不足分を支払うことができるか
 ・遺贈義務者たる遺言執行者は民法909条の2に基づく請求により払戻しを行った金融機関に対し、当該払戻しの無効を主張して、相続開始時における残高の払戻しを請求することができるか
 ・受遺者は遺贈義務者たる遺言執行者に対し、遺贈義務の履行として相続開始時における残高相当額の支払いを請求することができるか
 ・受遺者は遺贈義務者たる遺言執行者に対し、不足額(民法909条の2に基づき払戻しがされた金額)について損害賠償を請求することができるか
 ・受遺者は民法909条の2に基づき払戻しを受けた相続人に対し、その返還を請求することができるか
 ・遺贈義務者たる遺言執行者は民法909条の2に基づき払戻しを受けた相続人に対し、その返還を請求することができるか
 ★遺言執行者が就任後可及的速やかに行うべきこと
 ★遺言執行者が就任後可及的速やかに対抗要件具備行為を行えるよう、遺言者が行っておくべきこと
【事案15】負担付遺贈で負担を履行しない場合──民法1002条
 <論点>
 ・負担付遺贈の効力を不安定なものにしないためのワーディング上の工夫(負担付遺贈の法的性質)
 ・法律上の義務となる負担とするためには、どこまで具体的に負担の内容を記載すべきか
 ・負担付遺贈の負担が無効である場合の遺贈の効力
【事案16】遺言執行者選任(指定執行者死亡・職務困難・就職辞退・解任・辞任)──民法1010条
 <論点>
 ・遺言を実行するにあたり相続人が協力的でない場合に遺贈の履行を実現するにはどうすればよいのか(遺言執行者が選任されていない場合/遺言執行者が辞退した場合/遺言執行者を解任したい場合)
 ・金融資産が多額な場合、遺言執行者選任申立てをすべきか
 ・遺言書が無効かもしれない場合に遺言執行者選任申立てをすべきか
【事案17】相続人らの妨害行為により履行困難となった場合──民法1013条
 <論点>
 ・遺言執行者がいる場合に、相続人により相続財産が処分されたときの当該処分行為の効力は
 (被相続人の死亡が2019年6月30日以前の場合/被相続人の死亡が2019年7月1日以後の場合)
 ・遺言執行者が就任を承諾する前後で、処分行為の効力に相違はあるのか
【事案18】遺言の対象とされていた不動産に変更が生じた場合における遺言執行者の遺言執行の可否――民法1014条
 <論点>
 ・特定財産承継遺言における遺言執行者の遺言の対象不動産の登記権限
 (遺言書の作成が2019年6月30日以前の場合/遺言書の作成が2019年7月1日以後の場合)
 ・遺言作成後に遺言の対象建物が滅失し、新たな建物が建て替えられた場合に建替え後の新築建物に遺言の効力は及ぶのか
 ・遺言作成後に遺言対象の不動産が遺言の特定から外れる可能性
 ★遺言作成後に不動産に変動が生じる可能性がある場合において遺言で不動産を特定する方法
【事案19】遺言の対象とされていた株式が換価され、その換価代金が預金債権となっていた場合における遺言執行者の遺言執行の可否――民法1014条
 <論点>
 ・特定財産承継遺言における遺言執行者の遺言の対象預金の解約権限
 (被相続人の死亡が2019年6月30日以前の場合/被相続人の死亡が2019年7月1日以後の場合)
 ★遺言における換価容易な財産の特定の方法
【事案20】遺言執行者の解任事由──民法1019条
 <論点>
・遺言執行者の解任事由(相続財産目録作成義務や遺言執行状況報告義務の違反/一部の相続人または受遺者と敵対関係にある場合/遺留分減殺請求または遺留分侵害請求を無視して遺言執行が行われた場合/遺言無効が主張されていながら、一部の遺言執行した場合)
【事案21】遺言執行者を解任請求する際の留意点──民法1019条
 <論点>
 ・遺言執行者を解任請求する際、解任審判の申立てと同時にすべきこと
 ・遺言執行者の解任審判が下される前にされるべきこと
 ・遺言執行者の職務執行停止及び職務代行者選任の申立て及び審判がされるべきタイミング
 ★遺言執行者の解任後、新たに選任された遺言執行者に遺産や資料の引継ぎをスムーズにするための方法
【事案22】遺言の撤回──民法1022 条・1025条
 <論点>
 ・民法1022条と1025条との関係
 ・遺言の撤回後、新たな遺言が作成された場合にどの遺言が有効となるか
 ・遺言の撤回が無効とされた場合にどの遺言が有効となるか
 ・遺言の撤回後、撤回した遺言を有効と扱う旨の内容の遺言が新たに作成された場合にどの遺言が有効となるか
 ・遺言を撤回する旨記載した遺言を遺言者が故意に破棄した場合、どの遺言が有効となるか
【事案23】前の遺言と後の遺言との抵触、遺言と遺言後の生前処分その他の法律行為――民法1023条
 <論点>
 ・前後の遺言の内容が「抵触する」(民法1023条1項)場合とは
 ★前後の遺言の「抵触」問題を防ぐには
 ・遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と「抵触する」(民法1023条2項)場合とは
 ・妻への「相続させる」遺言後に離婚したが遺言がそのままの場合、「抵触」にあたるか
 ★遺言後の生前処分その他の法律行為との「抵触」問題を防ぐには
【事案24】民法の規定には該当しないが、事情変更により不適当となる場合(感情的対立など人間関係の変化)――民法1023条
 <論点>
 ・遺言後に遺言者と受益の相続人との間で感情的対立により人間関係に変化が生じた場合、「遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する」(民法1023条2項)とは認められないか
 ・受益の相続人が遺言者の長女と離婚した場合、同条項に該当しないか
 ・受益の相続人が遺言者に対する暴行、暴言等著しい非行をした場合、同条項に該当しないか。同条項に該当すると認められるには、どのような事情が必要か。立証のためには何が必要か
 ・遺言者に暴行、暴言をした相続人に有利な内容の遺言を有効と判断した裁判例の問題点
 ・受益の相続人が事業後継者たる資質、能力を疑われ事業上の人間関係も良好でない場合、同条項に該当しないか。同条項に該当すると認められるには、どのような事情が必要か
【事案25】遺言者による遺言書又は遺贈の目的物の破棄──民法1024条
 <論点>
 ・相続人が遺言書を破棄したことを問題にするには、誰が誰宛てにどのような裁判を起こせばよいのか
 ・共同相続人全員が訴訟当事者となる必要があるのか
 ・遺言を隠しても隠匿とならないことはあるのか
 ・遺言書を破棄、隠匿した直接証拠がない場合、どのようにして破棄、隠匿を証明するのか
 ・遺言書自体が存在しなければ、当該遺言の内容を実現することは不可能か。下書きがあればどうか
 ★自筆証書遺言を自宅保管して発生するトラブルとその予防法
【事案26】負担付遺贈の取消し──民法1027条
 <論点>
 ・相続人に対しても遺贈できるのか
 ・相続人に対して負担を負わせたい場合はどうするのか
 ・「妻が死亡するまで妻をきちんと扶養する」という抽象的な負担であっても法律的に負担付遺贈となるのか
 ・祭祀承継者としての指定は負担となるのか
 ・負担の履行がなされていない場合、遺贈は無効となるのか
 ・負担の履行がなされたのか否かについての紛争実例(どのようなファクターが考慮されるのか)
 ・負担付死因贈与を取り消すことは認められるのか
 ★負担付遺贈や負担付死因贈与を行う場合、負担を負う者がやるべき紛争予防策

第4章 割合的包括遺贈・清算型遺贈・相続人不存在の遺言者の遺言執行など
【事案27】割合的包括遺贈の遺言執行者の職務(割合的包括遺贈と解釈し得るか疑義がある場合)
 <論点>
 ・特定遺贈か割合的包括遺贈か判別が困難なときは、どうすればよいか
 ・相続人3名のみへの割合的包括遺贈の場合、他の相続人も相続債務を負うか
 ・割合的包括受遺者以外の相続人に対しても相続財産の内容の通知をすべきか
 ・割合的包括受遺者以外の相続人が相続財産を把握するにはどうすればよいか
 ・割合的包括遺贈の対象たる不動産については、どのような登記手続をすべきか
 ・割合的包括遺贈についての遺言執行者は、どのような遺言執行行為をすべきか
【事案28】相続人不存在の遺言者の自筆証書遺言の解釈が困難な遺言の執行について
 <論点>
 ・遺贈不動産につき物件の特定が不十分な場合、どうすればよいか
 ・「残りはCさんに任せます」という遺言文言をどのように解釈すべきか
 ・本件遺言による遺言執行者の権限の範囲はどこまで及ぶか
 ・本件遺言による遺言執行者はどのような法的手続をすればよいか
 ・本件遺言執行者は、相続財産管理人選任の申立てをすべきか
 ・本件遺言執行者は、自らを相続財産管理人候補者として推薦することはできるか
 ・相続財産管理人選任後の遺言執行者と相続財産管理人との権限の関係はどうなるか
【事案29】相続人不存在の遺言者の割合的包括遺贈の複数の受遺者の一人が先死した場合
 <論点>
 ・先死した者への受遺分は、他の受遺者に帰属するか、相続財産として残存するか
 ・先死した者への受遺分につき、選任された相続財産管理人の権限の範囲はどうなるか
 ・割合的包括遺贈の効力(物権的効力)と相続財産管理人の権限の関係はどうなるか
 ・相続財産管理人は、割合的包括受遺者との遺産分割協議をどう進めるべきか
 ・遺産分割協議の際にはどのようなことを検討しておくべきか
 ・不動産売却代金など金銭配分の際にはどのようなことに留意すべきか
 ・先死した者への受遺分(相続財産残存分)の帰趨はどうなるか
 ・清算型遺贈の遺言の受遺者の一人が先死した場合にはどのようにすべきか
 ★相続人不存在の遺言者は、遺言書作成時点でどのようなことに留意すべきか
【事案30】清算型遺贈の遺言の場合
 <論点>
 ・清算型遺贈の法的性質は、特定遺贈か包括遺贈か
 ・清算型遺贈により不動産を売却する際にはどのような登記手続をすべきか
 ・相続人が存在する場合の登記手続に関してどのようなことに留意すべきか
 ・相続登記をした際の登記識別情報通知についてはどのように取り扱われるか
 ・相続人不存在の遺言者の特定遺贈や包括遺贈の場合はどのような登記手続をするか
 ・相続人不存在の遺言者の清算型遺贈の場合はどのような登記手続をするか
 ・不動産売却後の不動産譲渡税についてはどのようなことに配慮すべきか
 ・遺言による分配割合に応じた不動産譲渡税の申告はどのようにすべきか
 ・相続人不存在の場合の不動産譲渡税については申告が必要か
【事案31】遺言公正証書作成後30年も経過した包括遺贈と死因贈与契約など
 <論点>
・遺言者(享年97歳)が33年も前に作成した公正証書遺言も有効か
・日付の記載のない自筆証書遺言は、死因贈与契約書面としても無効か
・全部包括死因贈与契約あるいは清算型死因贈与契約は有効か
・日付の記載のない自筆証書遺言は、死後事務委任契約として有効か
・死後事務委任契約により受任者が遺産不動産を売却することは可能か
・必要経費控除後の「残存財産の分配」の法的性質はどのようなものか
・「残存財産の分配」をもって贈与認定されるリスクをどのように回避するか
【事案32】割合的包括相続させる旨の遺言の実現方法
 <論点>
 ・一切の財産につき割合的包括相続させる遺言の法的性質はどのようなものか
 ・改正相続法に定められた特定財産承継遺言の法的性質はどのようなものか
 ・「相続させる旨の遺言」を認知した最高裁判例(最判平成3年4月19日)の内容
 ・割合的包括相続させる遺言に関する裁判例(京都地判平成4年12月24日)の内容
 ・相続分指定の遺言と法定相続分による共同相続登記とはどう違うか
 ・相続分指定の遺言による共同相続登記にはどのような手続をすべきか
 ・割合的包括相続させる遺言についてはどのような登記手続をすべきか
【事案33】配偶者居住権を遺贈した遺言の実現方法
<論点>
 ・配偶者居住権を遺贈する旨の遺言を実現するために受遺者の承認を要するか
 ・配偶者居住権の遺贈を放棄するには配偶者に意思能力を要するか
 ・受遺者たる配偶者に意思能力がない場合には遺言執行者はどう対応すべきか
 ・配偶者居住権が不要な場合には、遺言執行者はどのような対応をすべきか
 ★配偶者居住権を遺贈する者は、遺言書作成時点でどのようなことに配慮すべきか

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