渉外離婚の実務

離婚事件の基礎からハーグ条約まで
本体 ¥ 3,200
¥ 3,520 税込

著者:渡辺惺之/監修 大谷美紀子・榊原富士子・中村多美子/著
判型:A5判
ページ数:328頁
発刊年月:2012年2月刊
ISBN/ISSN:978-4-8178-3974-9
商品コード:40454
略号:渉外離婚

商品情報




●実務に必要な知識とスキルをおさえた一冊。
●渉外離婚の実務書でありながら、その基本となる国内離婚の基本も解説。
●相談受任から調停、審判、訴訟にいたるまでの、渉外事件特有の理論的及び実務上の問題点を項目ごとに解説。

【このような方におすすめの一冊です。】
・家事事件に精通しているものの渉外事件の経験がない方
・渉外事件を多く扱っているものの家事事件についてはほとんど未知という方
・正にこれから、渉外事件へも家事事件へも踏み出そうとしている方

【渉外離婚実務に必要なもの】
1)日本の家事事件手続や実務についての知識
2)外国人依頼者の懸念・疑問に対して、外国法と日本の家族法とを対比し要点を押さえたうえで、適切に説明できるスキル

【それを踏まえ、本書では】
●日本の離婚事件の実務の基本について、丁寧に解説しています。
⇒渉外離婚の実務書でありながら、その基本となる国内離婚の基本も抑えることができます。
●渉外事件特有の理論的及び実務上の問題点を応用編として解説しています。
⇒相談受任から調停や審判、訴訟まで、離婚原因、慰謝料、財産分与、子の親権者・監護者指定、養育費、面会交流といった各項目ごとに、実務手続きにおける国際離婚の場合の特有の問題点を解説しています。
●家事事件・渉外家事事件を数多く経験し、見識も豊富な現役の弁護士陣による執筆です。

【さらに】
・渉外離婚事件特有の外国人の在留制度にかかる実務についても説明しています。
・改正非訟事件法や新しい家事事件手続法にも対応しています。
・最新のトピックであるハーグ条約の動向や今後の対応についても解説しています。

目次

第I部日本における渉外離婚とは
第1章 はじめに〔大谷〕
第1 国際結婚と国際離婚の増加と現状
 1 統計に見る現状と傾向
 2 弁護士実務の中で見る国際離婚
第2 渉外離婚事件の類型と紛争の特徴
 1 渉外離婚事件の類型
 2 日本人夫とアジア人妻の離婚事件の紛争の特徴
 3 日本人妻と欧米人夫の離婚事件の紛争の特徴
 4 渉外離婚に特有の共通の問題点

第2章 渉外離婚事件の相談に際しての初歩的ノウハウ〔大谷〕
第1 受任にあたって
 1 渉外離婚事件に特有の問題を念頭に置いた相談対応
 2 海外にいる相談者からの受任
 3 日本にいる外国人からの受任
 4 翻訳費用の問題
 5 法律扶助
第2 受任後の注意事項
 1 委任状の作成
 2 外国人に対する差別(その懸念)への対処
 column 守秘義務

第3章 渉外離婚事件の実務における留意点〔大谷〕
第1 国際裁判管轄
 1 国際裁判管轄とは
 column 世界の国際裁判管轄
 2 国際裁判管轄に関する規律
 column アメリカで最も離婚のための管轄要件が緩い州
 3 国際裁判管轄の競合と管轄争い
 column 国際裁判管轄の法令化の動きと渉外身分関係事件
 4 直接管轄と間接管轄
 5 国際裁判管轄は法律関係ごとに決定
 6 離婚事件の国際裁判管轄
 (1)日本の国際裁判管轄決定のルール
 (2)離婚の国際裁判管轄が日本に認められる例(類型的な主要パターン)
 (3)国際裁判管轄の検討における注意(間違いやすい例)
 (4)国際裁判管轄決定における住所の基準
 (5)遺棄・行方不明
 (6)合意管轄と応訴管轄
 7 子の監護事件の国際裁判管轄
 (1)離婚請求の附帯請求として申し立てる場合
 (2)子の親権者指定等を離婚と別に申し立てる場合
 8 養育費請求の国際裁判管轄
 9 調停の国際裁判管轄
 10 執行のことを考える
第2 準拠法
 1 抵触法とは
 2 法律関係の性質決定
 (1)先決問題
 (2)性質決定とは
 (3)性質決定における注意点
 3 本国法の決定37
 (1)身分関係についての本国法主義
 (2)重国籍者37
 4 不統一法国
 5 子どもの本国法
 6 分裂国家
 7 常居所地の決定
 8 反致
 9 公序
 (1)公序則の適用と適用判断例
 (2)公序則による適用排除後の準拠法
第3 通則法各論
 1 離婚の準拠法
 2 子の親権(監護権)
 3 財産分与
 column アリモニー(離婚後扶養)
 4 慰謝料
 5 養育費
 column 管轄及び準拠法をめぐる争い
第4 外国法の適用
 1 外国法の主張立証責任
 2 外国法の調査方法
第5 外国判決の承認など
 1 外国判決の承認・執行
 (1)どのような場面で問題となるか
 (2)外国判決の承認の要件と執行の手続
 2 民事訴訟法118条
 (1)要件1(管轄)
 (2)要件2(送達)
 (3)要件3(公序良俗)
 (4)要件4(相互の保障)
 3 非訟事件への適用・準用
 4 外国裁判所の離婚判決の届出
第6 外国送達
 1 外国送達の特殊性
 2 外国送達の根拠法条約と国内法
 3 外国送達について知っておくべきこと
 4 日本から外国への送達の実務
 (1)外国送達の種類とその違い
 (2)翻訳文の添付と実務上の留意点
 (3)送達に要する期間と実務上の留意点
 5 外国公示送達
 (1)外国公示送達の要件・手続・効力発生時期
 (2)公示送達による判決を回避したい場合
 6 調停・審判事件における外国にいる相手方への書類の送付
 7 外国から日本への送達の実務
 (1)外国からの送達の実際
 (2)外国からの送達の効力が問題となる場合
 (3)不適法な外国からの送達に関する相談への対応

第II部渉外離婚における実務
第1章 日本の離婚の制度の概要〔榊原・大谷〕
第1 離婚の種類
 1 協議離婚(民763条)
 (1)日本の協議離婚とその問題
 (2)不受理申出制度
 (3)公正証書
 2 調停離婚(家審17条,家事244条)
 3 審判離婚(家審24条,家事284~287条)
 4 判決離婚(民770条)
 5 和解離婚(人訴37条1項)
 6 認諾離婚(人訴37条1項)
第2 外国から見た日本の離婚制度
 1 日本法の特色
 2 外国人当事者への説明の留意点
 (1)渉外的な協議離婚
 (2)調停事項や訴訟手続
 (3)その他,調停手続に関する外国人からの疑問点
 column 公正証書を用いた離婚
第3 裁判離婚しか認めていない国の外国人の日本における離婚
 1 問題の所在
 2 考え方と対処

第2章 離婚に関連する手続〔榊原〕
第1 人事訴訟
 1 人事訴訟の特色
 2 処分権主義の制限
 3 職権探知主義
 4 訴訟集中原則
 5 調停との関係
 6 離婚訴訟の実際
第2 家事審判
 1 離婚事件に関連する審判事項
 2 家事審判の手続
第3 民事訴訟
 1 離婚事件に関連する民事訴訟事件
 2 離婚にまつわる損害賠償請求訴訟
第4 家事調停
 1 家事調停とは
 2 付調停
 3 職権主義
 4 調停の不成立とその後の手続
 column 離婚の本人意思確認
第5 保全
 1 審判前の保全処分
 2 離婚訴訟に併合請求する損害賠償請求金の保全
 3 離婚訴訟に附帯申立てをする財産分与請求事件の保全
 4 被差押(仮差押)不動産・被差押(仮差押)債権
 5 保全の国際裁判管轄
第6 履行勧告等
 1 履行勧告
 2 履行命令
第7 強制執行
 1 直接強制執行
 2 間接強制執行
 ● 離婚関連裁判の手続の比較一覧表

第3章 別居中の問題〔榊原〕
第1 婚姻費用
 1 渉外事案の裁判例
 2 婚姻費用分担義務とは
 3 未成熟子とは
 4 義務の程度──生活保持義務
 5 始期
 6 終期
 7 有責配偶者からの婚姻費用分担請求
 8 持ち出し預金との関係
 9 住宅ローンとの関係
 10 調停・審判の手続
 11 離婚調停との関係
 12 財産分与,離婚訴訟との関係
 13 強制執行
第2 配偶者間暴力(DV)
 1 DV 防止法の外国人への適法と支援の利用
 2 日本のDV 防止法
 3 関連法規
 4 DV 防止法の「配偶者からの暴力」の定義
 5 保護命令申立ての要件
 6 保護命令発令要件としての暴力
 7 配偶者とは
 8 保護命令の内容
 9 手続の実際(DV 防止13条~16条)
 10 再度の保護命令(DV 防止18条)
 (1)再度の退去命令
 (2)再度の接近禁止命令
 11 子への接近禁止(DV 防止10条3項)
 12 親族等への接近禁止(DV 防止10条4項・5項)
 13 外国人が被害者である場合の注意点
 (1)在留資格
 (2)外国人の住民票(2012年7月8日までは外国人登録原票)の非開示
 14 外国にいるDV 加害者に対する保護命令

第4章 離婚の成立〔榊原〕
第1 離婚の方式・成立と準拠法
 1 離婚の方式
 2 離婚の成立の準拠法
第2 日本における判決離婚
 1 民法の離婚原因(民770条)
 2 日本の離婚法制の特徴と位置
 3 日本の判例の現状
第3 離婚法の解釈
 1 離婚法の解釈の指針
 2 不貞行為(民770条1項1号)
 3 悪意の遺棄(民770条1項2号)
 4 3年以上の生死不明(民770条1項3号)
 5 強度の精神病(民770条1項4号)
 6 その他婚姻を継続し難い重大な事由(民770条1項5号)
 7 有責配偶者からの離婚請求

第5章 離婚に伴う財産問題〔榊原〕
第1 財産分与
 1 離婚給付の種類
 2 財産分与の準拠法
 3 財産分与を認めた渉外離婚裁判例
 4 夫婦財産制──共有制と別産制,夫婦財産契約
 5 日本の財産分与
 6 慰謝料との関係
 7 日本の別産制と財産分与の対象財産
 8 形成権
 9 財産分与の手続
 (1)管轄裁判所
 (2)請求期間
 (3)予備的財産分与申立て
 (4)分与義務者からの申立て
 (5)控訴審における財産分与の附帯申立て
 (6)申立ての趣旨の記載方法
 (7)財産分与の主張整理表
 (8)財産の調査
 (9)事実婚への準用
 10 清算的財産分与の対象財産
 (1)不動産
 (2)債務
 (3)預金
 (4)株式・投資信託
 (5)法人名義の資産・事業用資産
 (6)保険・学資保険
 (7)債権
 (8)車
 (9)退職金
 (10)退職年金
 (11)企業年金・確定拠出年金・厚生年金基金等
 (12)外国の年金
 11 賃借権・使用借権の設定
 12 過去の未払い婚姻費用と財産分与
 13 婚姻開始時財産との差額計算
 14 評価の基準時
 15 清算割合
 16 扶養的財産分与
 17 財産分与と税金
 18 所得水準や物価水準の違い
 19 共有物分割請求と財産分与
第2 慰謝料
 1 渉外離婚の慰謝料の準拠法
 2 渉外離婚の慰謝料の裁判例
 3 日本における離婚の慰謝料とは
 4 請求方法
 5 消滅時効と遅延損害金の基点
 6 財産分与と慰謝料の関係
 7 慰謝料額
 8 日本人間の離婚慰謝料
 (1)民法770条1項1号──不貞行為の場合
 (2)民法770条1項5号──その他婚姻を継続し難い重大な事由の場合
第3 年金分割
 1 年金分割制度とは──合意分割
 2 方法
 3 3号分割
 4 裁判例
 5 外国人が日本の年金分割を受けられるか
 6 外国の年金分割

第6章 離婚に伴う子どもの問題〔榊原〕
第1 親権・監護権の制度
 1 はじめに
 2 親権・監護権の国際比較
 3 日本の親権・監護権制度の概要
 (1)日本の親権
 (2)親権の内容(効力)
 4 日本法における離婚後の親権・監護権の分属
 5 日本法における離婚後の共同監護
 6 渉外離婚における共同監護的合意
 ● 外国人に日本法の親権や親子の制度を説明するポイント
第2 親権・監護権の決定・変更の基準
 1 はじめに
 2 決定基準の概要
 3 調査方法
 4 子からの聴取・意思の把握
 5 子の手続参加・子の手続代理人
 6 親権者・監護者の決定基準
 (1)監護の実績・継続性(現状の尊重)
 (2)子の意思
 (3)母親優先・母性的監護から主たる監護者へ
 (4)奪取の違法性
 (5)他方の親の同意のない単独監護の開始(子連れ別居)
 (6)面会交流の許容性(寛容性)―フレンドリーペアレント・ルール
 (7)きょうだいの不分離
 (8)経済的能力
 (9)監護補助者
 (10)語学力
 (11)在留資格
 (12)婚姻破綻の有責性
 7 親権者変更・監護者変更の基準
第3 面会交流
 1 面会交流とは
 2 面会交流の国際比較
 3 面会交流の法的性質
 4 面会交流の認容基準と判例
 (1)子の事情
 (2)監護親・非監護親の事情
 (3)子からの請求
 (4) 第三者の立会い・間接面会交流
 (5)渉外事案における面会交流についての裁判例
 5 面会交流の調停の実際
 ● 面接交渉が問題となる事件の進行フローチャート
 6 面会交流の執行・間接強制執行
 column 面会交流の条項と間接強制執行
 7 面会妨害の不法行為
第4 子の引渡し請求
 1 子の引渡し請求の方法
 2 子の監護に関する処分
 3 審判前の保全処分
 4 刑事手続
 5 人身保護請求
 (1)人身保護請求手続
 (2)判例の示す要件
 (3)渉外事案における人身保護請求
 6 手段の比較
 7 子の引渡しの強制執行
 (1)間接強制執行
 (2)直接強制執行221
第5 養育費
 1 養育費とは
 ● 生活保持義務と生活扶助義務
 2 養育費の始期
 3 養育費の終期
 4 具体的算定方法――標準算定表
 5 特別な事情
 (1)教育費
 (2)医療費
 (3)義務者の負債
 6 事情の変更による増減請求
 7 取立方法
 8 渉外事案の養育費裁判例
 column 国境を越える養育費の請求・回収

第7章 国境を越える子の監護に関する問題
 第1 国境を越える子の監護・引渡し紛争の問題点
 第2 外国から日本への子の連れ帰り
 1 外国から日本への子の連れ帰り事案の類型
 2 外国における法的手続
 3 日本における法的手続
 (1)外国裁判所の決定に基づく子の引渡し請求
 (2)家庭裁判所に対する子の監護者指定・引渡しの審判の申立て
 (3)子を連れ帰った親からの家庭裁判所に対する監護者(親権者)の指定・変更の申立て
 4 外国から日本に子を連れ帰った親からの相談
 5 外国から子を日本に連れ帰りたいと考えている親からの相談
 (1)外国法に関する助言は現地の専門弁護士に任せる
 (2)親権・監護権の付与とリロケーション
 (3)国際転居(インターナショナル・リロケーション)とミラー・オーダー
 6 外国に残された親からの相談
第3 日本から外国への子の連れ出し
 1 日本の裁判所における手続
 2 外国裁判所における手続
 3 子の外国への連れ去りの防止
 4 子の外国への連れ去りの回避と対応
 5 子を外国へ連れ帰りたいと考えている外国人親からの相談
 column 国際社会事業団
第4 国境を越える面会交流
 1 外国に居住する親と日本に居住する子との面会交流
 2 外国にいる子と日本に居住する親との面会交流
 column 国境を越える子の面会交流に関する条約
第5 国際的な子の奪取の民事上の側面に関するハーグ条約
 1 ハーグ条約の概要
 (1)ハーグ条約に基づく子の返還申立て手続の流れ
 (2)返還手続の裁判
 (3)ハーグ条約に基づく面会交流の申立て
 2 日本がハーグ条約を締結した場合の実務への影響
 (1)外国から日本への子の連れ帰り・留置
 (2)日本から外国への連れ去り・留置

第8章 離婚後に必要な諸手続〔中村〕
第1 戸籍手続について
 1 離婚の「届出」
 2 離婚による復氏について
 3 子の氏について
第2 社会保障等の手続について
 1 医療保険
 2 子ども手当
 3 児童扶養手当
 4 その他の社会保障
 (1)生活保護
 (2)母子福祉貸付金

第9章 離婚と在留資格〔中村〕
第1 離婚による在留資格への影響とその対応
 1 はじめに
 2 離婚による在留資格への影響とその対応
 (1)「日本人の配偶者等」の在留資格への影響
 (2)「日本人の配偶者等」の在留期間中に離婚をする場合
 (3)別居中に「日本人の配偶者等」の在留期限が満了する場合
第2 離婚による在留資格の変更
 1 「日本人の配偶者等」から「永住者」への在留資格変更
 2 「日本人の配偶者等」から「定住者」への在留資格変更
 (1) 一般的要件
 (2)夫婦間実子がいる場合
 (3)子がいない場合
 (4)その他実務上のポイント
 3 別居中の「日本人の配偶者等」の在留資格更新の可否
第3 不許可処分についての不服申立て
 1 不許可処分への対応
 2 出国する場合
 3 行政訴訟について
 4 実務上のポイント

判例・先例索引

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