性的マイノリティと国際人権法

ヨーロッパ人権条約の判例から考える
本体 ¥ 7,000
¥ 7,700 税込

著者:谷口洋幸/著
判型:A5判上製
ページ数:412頁
発刊年月:2022年6月刊
ISBN/ISSN:9784817847928
商品番号:40907
略号:性国

商品情報


LGBTQ+の先駆的な100 事例を紹介!
多様な性のあり方への理解と課題の解決を導く。

●性的マイノリティに関するヨーロッパ人権裁判所の判例等の検討を行い、日本の判例や法政策の課題と展望を考察する。
●性別記載の変更、同性間でのパートナー関係・婚姻の制限や親子関係、性的指向、性自認 に基づく差別の禁止ほか近時の動向にも対応。


<目次と主な収録判例>
第1章 性行為の刑事処罰
道徳・他者の権利保護という欺瞞

同性間の性行為処罰規定は人権侵害か
主に(男性の)同性間の性行為を処罰対象とするソドミー処罰規定に関連する権利侵害の申立ては性的マイノリティと人権に関する議論の出発点となっており、私生活の権利侵害について争われたダジャン対イギリス事件判決(1981)などソドミー処罰規定に関連する20 判例を掲載。


第2章 性別記載の変更
性自認を実効的に尊重する法制度のあり方

出生証明書等の変更は認められるべきか
性別記載の変更を認めないことが人権条約上の権利を侵害していると判断された、グッドウィン対イギリス事件判決(2002)など性別記載の変更の可否や要件に関連する20例を掲載。


第3章 パートナー関係の保障
家族として承認する法制度を構築する義務

同性パートナーの制度的保障はなぜ必要といえるか
同性パートナー間における事実婚としての法的保障と、新しい制度の構築について、人権条約のもとで争われたオリアリほか対イタリア事件判決(2015)など同性間におけるパートナー関係に関連する16 判例を掲載。


第4章 性別による婚姻の制限
異性基準の「発見」と維持

同性間に婚姻が認められないことは正当か
婚姻する相手方の性別について制限を撤廃し、異性間のパートナー関係だけでなく、同性間のパートナー関係でも婚姻できるようにすることの義務について、シャルク・コップ事件判決(2010)など関連する11 判例を掲載。


第5章 親子関係の保障
子の最善の利益に潜む固定概念や偏見

性的マイノリティは子どもとの関係を制限されるのか 性的指向のみを理由とする離婚後の子どもとの関係の制限は、条約上の権利侵害に該当することを認定したモウタ対ポルトガル事件判決(1999)など性的マイノリティと親子関係に関連する17 判例を掲載。


第6章 差別の禁止
差異ある処遇に客観性・合理性は見いだせるか

性的指向や性自認による差別の違法性
差別の禁止は人権の基本理念の一つであるが、性的指向や性自認にもとづく差異ある処遇が正当かつ合理的と判断される基準が争われたカルナー対オーストリア事件判決(2003)など19 判例を掲載。

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