朴槿惠大統領弾劾

弁護人が語るその真相
本体 ¥ 2,600
¥ 2,860 税込

著者:金平祐/著 文春琴/訳
判型:四六判
ページ数:288頁
発刊年月:2020年1月刊
ISBN/ISSN:978-4-8178-4618-1
商品コード:40804000001
略号:大統領

商品情報

朴槿惠大統領弾劾は韓国法治主義の終焉を意味するのか。
― 韓国のベストセラー『弾劾を弾劾する』著者による書き下ろし―
【裵薫弁護士による推薦文収録!】

 2016年12月9日、韓国国会は当時の朴槿惠大統領を弾劾訴追した。憲法裁判所はこれを受けて大統領の罷免を認める判断を下し、朴槿惠大統領は1987年の韓国民主化以来初めて、任期途中で失職した。

 そのきっかけは、2016年10月24日、朴槿惠大統領が親友である崔順実(チェスンシル)と、大統領の職務をめぐって不適切な関係にあったことを示すタブレットPCの存在が報道されたことである。崔順実と大統領のこのスキャンダルに、多くのマスコミが飛びつき、確かな事実検証もなく、大量のニュースを垂れ流し続けた結果、国民は朴槿惠大統領が権力を濫用して親友に大金をつかませたと信じ込んだ。 

 著者の金平祐弁護士は、この弾劾審判が進行中の2017年1月末、『弾劾を弾劾する』という批判の書を書き、朴槿惠大統領弾劾の訴追および裁判過程において、法曹が法治主義を遵守しなければ、韓国は社会主義独裁国家へと退歩しかねない、と警告した。そして、朴槿惠大統領に対する拙速な弾劾裁判を阻止しよう、と国民に呼びかけ、大統領の弁護人として憲法裁判所に出廷し、公開弁論を行った。しかし、一部の人々を除き国民はすっかり興奮状態に陥っており、憲法裁判所は興奮状態の国民を恐れてか、わずか3か月の審理で、政治的としか言いようのない罷免決定を下した。

 この弾劾裁判は、法的側面から見れば、国会による訴追の過程、検察の捜査過程、憲法裁判所の裁判過程のそれぞれが全て拙速に進められたものであり、法治主義の生命である基本的な適法手続が守られていない。後の歴史は、この弾劾裁判について、政権奪取を目的にした政治家の政変劇に司法が加担し協力したのだ、と解釈するだろうと考えられる。

 著者・金平祐弁護士は、ソウル大学法学部を首席で卒業、裁判官・法学部教授として長年の経験を持ち、弁護士としても大韓弁護士協会会長を歴任し、朴槿惠大統領の弁護人を務めた。本書には、この大統領弾劾裁判の背景やリアルな過程のみならず、弾劾判決後に韓国内で生じた数々の事件の背景事情、ひいては最近の日韓関係の悪化の原因、現在の韓国内の政治的混乱の原因がどこにあるかを解き明かすヒントが数多く書き留められている。

 著者は、その序文で「日本の法曹関係者と読者が、韓国の事例を反面教師にされ、韓国が遭遇した法治主義の後退、終焉の罠に落ちないために、本書が少しでも助けになることを祈っている。」とメッセージを発信している。

目次

第1章 私が朴槿惠大統領弾劾事件の弁護人として弾劾裁判に参加した理由と背景
第2章 政治的背景事情
第3章 社会的背景事情
第4章 事件の端緒と展開過程
第5章 憲法および弾劾裁判制度の概要
第6章 弾劾訴追状
第7章 答弁書
第8章 準備書面
第9章 争点整理、準備手続:争点整理と釈明処分
第10章 証人と証言内容
第11 章 書証と証明内容
第12 章 弁論期日と回数
第13 章 裁判官忌避と弁論再開申請
第14 章 罷免決定
第15 章 罷免決定に対する批判
第16 章 憲法裁判所は自分が作りだした「権限濫用」という弾劾事由で大統領を罷免した
第17 章 裁判官に対する告発と再審の動き
第18 章 崔順実刑事事件について
第19 章 その他の側近の刑事事件について
第20 章 朴槿惠前大統領の刑事事件について
第21 章 朴槿惠大統領弾劾事件をどう見るべきか

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