アジャイル開発の法務

スクラムでの進め方・外部委託・偽装請負防止・IPAモデル契約とカスタマイズ
本体 ¥ 2,800
¥ 3,080 税込

著者:梅本大祐/著
判型:A5判
ページ数:228頁
発刊年月:2022年11月刊
ISBN/ISSN:9784817848437
商品番号:40928
略号:ア開発

商品情報

・様々な手法があり開発実務の運用も多様であるため、手法や実務の把握が難しい…
・公表されているトラブル事例や裁判例が 少なく、問題点の把握が難しい…
・従来のシステム開発との法的論点の違いは…?

アジャイル開発 の法務を中心に扱った、日本初の書!
IPAモデル契約の策定に関与した弁護士が
基礎知識・法的留意点・契約書のカスタマイズ等について解説!

第1章 アジャイル開発の紹介 では
 ウォーターフォール開発との比較や、一般的なアジャイル開発(スクラム)の進め方を概説。
第2章 法務的観点から見たアジャイル開発 では
 アジャイル開発の外部委託の活用形態や、外部委託の際に考慮すべきアジャイル開発の特徴について整理。
第3章 アジャイル開発と契約 では
 公表されているモデル契約の紹介を行うとともに、アジャイル開発の外部委託契約において検討すべきポイ
 ントについて論じる。また、アジャイル開発に関する裁判例のうち、読者の参考になりそうなものを紹介。
第4章 アジャイル開発と偽装請負 では
 アジャイル開発の偽装請負該当性について、厚生労働省が2021年に公表した疑義応答集(第3集)の内容
 を検討しつつ、アジャイル開発のイベントやプラクティスへの具体的なあてはめを試みる。
第5章 IPAモデル契約(2020年3月公表)の活用 では
 IPAのモデル契約をカスタマイズする際の注意点とともに、カスタマイズの具体例を示す。

目次

第1章 アジャイル開発の紹介
第1  アジャイル開発の概要
 1  アジャイル開発とは
 コラム アジャイルソフトウェア開発宣言
 2  一般的なアジャイル開発の流れ
 コラム 日本におけるアジャイル開発の普及状況
 3  本書で扱うアジャイル開発(スクラム)
第2  アジャイル開発とウォーターフォール開発との比較
 1  ウォーターフォール開発 7
 2  ウォーターフォール開発と比較した際のアジャイル開発の特徴(メリット)
 3  アジャイル開発も万能ではない
  (1)開発対象の適否
  (2)慣れるまでの難しさ
  (3)ユーザ企業・部署、プロダクトオーナーに対する負荷
第3  プロトタイピング開発、スパイラル開発との比較
第4  アジャイル開発(スクラム)の進め方
 1  アジャイル開発におけるフレームワークのバリエーション
 2  スクラムの具体的な流れ
  (1)企画段階
  (2)準備段階
  (3)開発段階
 コラム 仮説検証型アジャイル開発
 3  スクラムにおけるロール(関係者の役割)
 4  スクラムにおけるイベント(ミーティング等)
 5  アジャイル開発のプラクティス 22
第5  アジャイル開発を成功させるためのポイント

第2章 法務的観点から見たアジャイル開発
第1  アジャイル開発に関係する法律
第2  アジャイル開発の外部委託
 1  開発のリソース
 2  外部委託におけるアジャイル開発の活用の形態
  (1)プロジェクト型と継続開発型
  (2)契約類型・開発予算との関係
 3  外部委託の際に検討すべきアジャイル開発の特徴
  (1)第1の特徴:開発当初はプロダクト全体の要件・仕様が決まっておらず、事後的な要件・仕様の決定や変更を前提とする点
  (2)第2の特徴:継続的に開発・改善をする点
  (3)第3の特徴:ユーザとベンダが緊密なコミュニケーションをとりながら協働する点

第3章 アジャイル開発と契約
第1  公表されているモデル契約
 1  これまでに公表されているIPA のモデル契約
 2  IPA 非ウォーターフォール型開発モデル契約書案
  (1)基本契約/個別契約モデル
  (2)組合モデル
 3   IPA=経済産業省 アジャイル開発外部委託モデル契約(2020年3月公表)
 4  その他のモデル契約─ LIP モデル契約 49
第2  アジャイル開発の外部委託契約において検討すべき問題
 1  契約類型の選択
  (1)請負契約と準委任契約
  (2)非典型契約と考えるべきとの立場
 2  アジャイル開発を請負で行うための方策
  (1) 成果が具体的に固定できる段階になった時点で請負契約を締結するパターン
  (2)コア部分やMVP 部分のみ請負とするパターン
  (3)その他の方策
コラム 労働者派遣による内製はなぜ進まないのか 
 3  検査、検収の扱い
  (1)検収
  (2)検査
  (3)請負契約の場合
  (4)準委任契約の場合
  (5)アジャイル開発(スクラム)における検査
コラム アジャイル開発におけるテスト
  (6)契約上の対応
 4  ドキュメントの扱い
  (1)アジャイル開発におけるドキュメント
  (2)作成されるドキュメント
 5  偽装請負
 6  プロジェクトマネジメント義務・協力義務
  (1) 裁判例におけるベンダのプロジェクトマネジメント義務とユーザの協力義務
  (2) 請負契約におけるプロジェクトマネジメント義務とユーザの協力義務
  (3) 準委任契約におけるプロジェクトマネジメント義務とユーザの協力義務
  (4) アジャイル開発におけるプロジェクトマネジメントに係る役割分担
  (5) アジャイル開発におけるプロジェクトマネジメント義務と協力義務
 7  下請法
第3  アジャイル開発に関する裁判例
 1  アジャイル開発におけるドキュメント作成の扱いに関する事例
 【裁判例1】東京地判平成24年5月30日
 【裁判例2】東京地判平成26年9月10日
 2   成果報酬型収益分配モデルで開発を進めたがサービス開始に至る前に頓挫した事例
 【裁判例3】東京地判平成30年2月27日
 3  準委任契約において完成義務の有無と善管注意義務が争われた事例
 【裁判例4】東京地判令和2年9月24日
 4  開発対象に関する合意が争われた事例
 【裁判例5】東京地判平成29年11月21日
 【裁判例6】東京地判令和3年9月30日
 【裁判例7】東京地判令和3年11月25日

第4章 アジャイル開発と偽装請負
第1  いわゆる偽装請負とそのペナルティ
 1  アジャイル開発における密なコミュニケーション
 2  偽装請負とは
コラム なぜ偽装請負は規制されるのか
第2  厚生労働省の派遣・請負区分基準
 1  派遣・請負区分基準
 2  アジャイル開発における偽装請負の懸念と過剰な対策
第3  アジャイル開発向けの疑義応答集第3集
 1  疑義応答集第3 集の策定経緯
 2  疑義応答集第3 集の概要
 3  アジャイル型開発と契約方式(Q1)
 4  基本的考え方(Q2)
  (1)疑義応答集の核心となる基本的な考え方
  (2)「対等な関係の下で協働」とは
  (3)「自律的に判断」して開発業務を行うこととは
 5  管理責任者の選任(Q3)
  (1)管理責任者を置く意義
  (2) スクラムイベントその他のコミュニケーションの場における管理責任者の同席の要否
 6   発注者側の開発責任者と受注者側の開発担当者間のコミュニケーション(Q4)
  (1)開発対象の特定に資するプロダクトオーナーからの情報提供
  (2) スプリントプランニングにおける開発チームとプロダクトオーナーの間の協議
 7  開発チーム内のコミュニケーション(Q5)
  (1)開発チームが受発注者混成の場合のコミュニケーション
  (2) ペアプログラミング(モブプログラミング)におけるコミュニケーション
 8  会議や打ち合わせ等への参加(Q6)
 9  開発担当者の技術・技能の確認(Q7)
 10 疑義応答集第3 集をふまえた対応
  (1)偽装請負と判断され得る場合
  (2)偽装請負とならないために行うべき対応

第5章 IPA モデル契約(2020年3月公表)の活用
第1  IPA モデル契約の活用方法
 1  IPA モデル契約の想定
 2  IPA モデル契約の構成と使い方
  (1)契約書本体及び別紙
  (2)アジャイル開発 進め方の指針
  (3)契約前チェックリスト
第2  IPA モデル契約をカスタマイズする際の注意点
 1  IPA モデル契約のカスタマイズ
 2  避けるべきカスタマイズ
  (1)スクラムのフレームワークのバランスを破壊するカスタマイズ
  (2)問題のあるカスタマイズの例
第3  IPA モデル契約の変更例
 1  第1条(目的)
 2  第2条(アジャイル開発方式)
 3  第3条(体制)
 4  第4条(甲の義務)
 5  第5条(乙の義務)
 6  第6条(変更管理)
 7  第7条(問題解消協議)
第4  IPA モデル契約の別紙のカスタマイズ
 1  IPA モデル契約別紙サンプルの変更例
  (1)1 項 本プロジェクト
  (2)3 項 スケジュール
  (3)4 項 体制
  (4)5 項 会議体
  (5)6 項 本件業務の内容及び役割分担
 2  継続開発型のサンプル
  (1)1 項 本プロジェクト
  (2)2 項 開発対象プロダクト
  (3)3 項 スケジュール
  (4)4 項 体制
  (5)6 項 本件業務の内容及び役割分担
  (6)7 項 本契約の有効期間
  (7)8 項 委託料及び支払方法
 3  仮説検証型のサンプル
  (1)1項 本プロジェクト
  (2)3項 スケジュール
  (3)4項 体制
  (4)6項 本件業務の内容及び役割分担
  (5)7項 本契約の有効期間
  (6)8項 委託料及び支払方法

参考資料:2020年版IPAアジャイル開発モデル契約
索引
著者紹介

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