39の金貨 成長を叶える 組織内弁護士の教科書

本体 ¥ 3,600
¥ 3,960 税込

著者:渡部友一郎/著・原作 大舞キリコ/作画 星井博文/シナリオ
判型:A5判
ページ数:316頁
発刊年月:2025年10月刊
ISBN/ISSN:9784817850232
商品番号:41011
略号:組織弁

商品情報

中村直人弁護士(日本経済新聞「企業が選ぶ弁護士ランキング」10年連続総合首位)推薦!
―『人は多様であるが、育ち方は普遍である。本書はすべての人に気づきを与え、人生を変えてくれると思う。』
―『こんなに明確で真実をついた言葉は見たことがない。誠実で聡明な筆者の珠玉のノウハウが詰まっている。』

「弁護士」であり「会社員(組織人)」でもある組織内弁護士へ
十数年間の経験と学びを、次世代へとつなぐ1冊

 本書は、弁護士・渡部友一郎(Airbnb Lead Counsel、日本法人の取締役・日本法務本部長)が、誰もが抱えながら言葉にしきれなかった組織内弁護士の「共通の悩み」に、等身大で答える1冊です。
 「弁護士」であり、「会社員(組織人)」――2つの役割が生む葛藤。
 若手時代に懊悩し、失敗しながらも、いま第一線で活躍する著者が、経験と学術的知見をもとに、具体的な打開のヒントを示します。成功談ではなく、「なぜうまくいかなかったのか」「次にどうすべきだったか」を丁寧に解き明かし、39講に凝縮しました。

「専門家としての自立」と「組織人としての協働」の両立
● 企業内で法務人材として信頼されるためには、専門性を一度「学びほぐす」プロセスと、企業文化への深い洞察、さらには法的正確性と経営的合理性の両立が求められます。
● 本書では、これらの力を段階的に養うためのアプローチを提示するとともに、実務を通じて得た知見を、会社の枠を超えた活動(執筆/講演/政策検討会委員/社外役員)や、社会への貢献につなげていくための思考法を提案します。
● 39 講では「Before / After」を示し、対比を通じて「どのような改善ができるか」を具体化し、次の一歩を踏み出すためのヒントを与えます。

漫画あらすじ
 司法研修所のある和光市駅。バス停に並ぶ修習生の長蛇の列を見て、ライバルの多さに慄く、主人公・因幡友。司法試験に合格した先では、さらなるし烈な競争が待ち受けていた。入所した外資系法律事務所では過労に倒れ、転職先であるゲーム会社・KeyNAでは法務部での軋轢に悩まされる。度重なる苦悩と試練、しかしそこには必ず「金貨」があった――。「世界に1人だけの法律家」を目指し奮闘する主人公の、十数年間の軌跡を描く。

「きっと誰かがあなたの頑張りを見ている」―苦しいときに何度も読み返したい、御守のような書籍の誕生です。

目次

序章 組織内弁護士の基礎情報
1 法務部門・組織内弁護士を取り巻く日本の現状と未来図
  法務部門の現状⑴―人材不足
  法務部門の現状⑵―売り手市場の恩恵
  法務部門の現状⑶―組織内弁護士の管理職・経営層化
  法務部門の未来予想図
2 組織内弁護士とは何か?⑴―歴史基礎編
  組織内弁護士の空白期
  米国における地位向上運動
  「許可制」から「届出制」へ
3 組織内弁護士とは何か?⑵―キャリア基礎編
  新・弁護士の就職と転職 キャリアガイダンス72講
4 組織内弁護士とは何か?⑶―法務機能の基礎編
  法務機能在り方研究会の報告書(2019年)の要旨

第1章 成長を叶える3枚の永続的な基礎金貨
0 第1章のゴール
  第1章のゴール
  第1章の要旨
1 戦略ノートの金貨(10年計画)
  まずはジョン・C・マクスウェルの本を手に取ってほしい
  夢を形にする計画
  『夢を実現する戦略ノート』が提供する枠組み
  私自身が経験した「10年計画」の威力
  何が計画を形骸化させないのか
  金貨の小括
  コラム 弁護士が夢を語ってもよい!―起業家から学んだチームの作り方
2 非難をやめる
  執着しない・手放すことが金貨の内容
  競争の果てにある迷い
  非難を手放し浮上する
  金貨の小括
  コラム もう、怒らない
3 紙の金貨―直筆お礼状で心を伝える弁護士
  学部生時代から続けている小さな習慣
  直筆のお礼状のなぜ
  コラム 直筆のお手紙
  お礼状の裏側にある本質

第2章 外資系法律事務所時代の仕事・転職5枚の金貨
0 第2章のゴール
  第2章のゴール
  第2章の要旨
1 外資系法律事務所の金貨⑴―プロの目線の高さ(総論)
  プロの目線の高さに触れる意義
  クオリティコントロールの違いに驚いた瞬間
  外資系法律事務所の「高いホスピタリティ基準」体験
  「プロの仕事の目線」が受賞を支えた
  どうやって「プロの目線の高さ」を学ぶか
  金貨の小括
  コラム 松井秀樹弁護士の言葉―「三感王」
2 外資系法律事務所の金貨⑵―成果物の事前確認義務
  成果物は「自由な創作」ではない
  依頼者が求めるものを把握すれば8割は終わった
  依頼者の期待するものを把握する難しさ
  研究が示す「初期すり合わせ」の価値
  3つのアプローチ―質問を恐れない
  金貨の小括
  コラム 中村直人弁護士の言葉―「一人前の弁護士」と「一流の弁護士」
3 外資系法律事務所の金貨⑶―高い人事評価を獲得し続ける魔法
  フィードバックを求める姿勢
  失敗だらけのコミュニケーション
  「自分を知らない」まま行動していた日々
  勇気を持って声をかけてみる
  対話の中で得られる相手の期待
  試してほしいアクション
  金貨の小括
  コラム 戸倉圭太弁護士の言葉―「最後の一滴まで傾聴」
4 組織内弁護士への転職の金貨⑴―タイムマシンで伝えたい「生活水準」と「会話」
  転職の金貨
  生活水準は上げるな危険
  会話の心構え―組織内弁護士との対話のコツ
  金貨の小括
5 組織内弁護士への転職の金貨⑵―「今しかないか」基準
  転職の迷いに関する金貨
  弁護士が抱える「動くべきか、まだ早いか」の悩み
  転職情報収集の現状と弁護士の特殊性
  転職エージェントは本当に「自分の味方」なのか?
  「今しかないか」という基準でタイミングを見極める
  「今しかない」チャンスに備えるための準備
  金貨の小括
  コラム 「R―CAP」と「StrengthsFinder」は転職未定でも「今」しておこう

第3章 苦闘した若手組織内弁護士時代の7枚の金貨
0 第3章のゴール
  第3章のゴール
  第3章の要旨
  黙っていた自分を乗り越えて
1 企業の一員になっても、絶対に捨ててはいけないたった1つのもの
  はじめに―2つの「洗濯物カゴ」
  コラム Airbnb での堅牢な法的分析―「法的専門性」は必要条件
  アンラーニングとは何か
  組織内弁護士が直面する葛藤とアンラーニングの意義
  しかし……弁護士には「絶対に捨ててはいけない」ものがある
  金貨の小括
2 弁護士への抵抗感に対応する3枚セット金貨⑴―企業文化の理解不足
  アンラーニングの対象
  そのまま前職のやり方を持ち込むリスク
  企業文化は即座に把握できるほど単純ではない
  信頼という「通貨」を貯める
  先行研究が示す「観察と学習」の大切さ
  金貨の小括
  コラム 信頼の通貨の貯金方法
3 弁護士への抵抗感に対応する3枚セット金貨⑵―組織人としての意識不足
  アンラーニングの対象
  なぜ「組織人としての意識不足」が問題になるのか
  組織独自の「社内手続法」を学ぶ
  失敗談
  法廷にも「手続法」があるように、会社にも「社内手続法」がある
  組織社会化の視点
  金貨の小括
4 弁護士への抵抗感に対応する3枚セット金貨⑶―ビジネスセンス不足
  アンラーニングの対象
  なぜ「ビジネスセンス」が求められるのか
  ビジネスセンスを磨くための2つの方法
  金貨の小括
5 自分のオフィスデスクに法律事務所の看板―「コトに向かう」
  オフィスデスクに法律事務所の看板を置く
  人間関係の摩擦に疲れ果てていた日々
  「コトに向かう」姿勢を取り戻す
  金貨の小括
6 課題のある職場環境から距離を置く―健康以外は全部ボーナス
  繰り返す、健康以外は全部ボーナス
  組織内弁護士の上司・人間関係リスク
  パワハラは身近に潜む可能性がある
  失敗談
  少し未来のお話
  金貨の小括
7 セルフコンパッションの金貨―メンタルケアが生む新たな価値
  身体と精神の強化に取り組む
  問題の所在
  身体を鍛える
  コラム 世界一流の騎手である武豊さんのようになるためには
  精神を鍛える⑴―セルフコンパッション
  精神を鍛える⑵―うららか相談室
  精神を鍛える⑶―瞑想アプリ
  金貨の小括

第4章 組織内弁護士として開花した7枚の金貨
0 第4章のゴール
  第4章のゴール
  第4章の要旨
  コラム 長島安治弁護士らのお言葉
1 お客様調査を個人で行う―「お客様の声」でサービス大改善
  あなたは満足度調査をしていますか?
  「お客様の声」でサービス大改善
  アカデミックに見てもサービス改善につながる
  金貨の小括
  コラム 星野リゾートの経営戦略を「あなた」へ
2 社内でのベンチマーク―まず、社内手続法をマスターせよ
  ゼロから独力で考えるより、社内法務部のエースを参考にしてみよう
  転職先に潜む「社内手続法」と暗黙知の壁
  「社内手続法」の熟達者をベンチマークする
  金貨の小括
3 社外でのベンチマーク―日本組織内弁護士協会(JILA)の活用
  社内と社外の双方にベンチマークすべき人を持て
  ロールモデルがいない!?
  コラム 若手調査(62―75期対象)調査結果報告書
  日本組織内弁護士協会(JILA)とは?
  私と日本組織内弁護士協会(JILA)
  金貨の小括
4 会社とは別の成長軸⑴―早朝勉強の金貨
  会社とは別の成長軸としての早朝勉強
  ライフイベントと学習のジレンマ
  朝型生活への転換と具体的アプローチ
  勤務先以外での学習実態と早朝勉強の効果
  金貨の小括
5 会社とは別の成長軸⑵―英語及びカリフォルニア州司法試験
  英語と海外資格取得を視野に入れる意義
  当時の私の脆弱性
  意図的な練習で生まれる飛躍と実践のヒント
  金貨の小括
  コラム 英語はあなたの給与水準を最も高める
6 襟を正す! 競争者・緊張感の欠けた法務部・組織内弁護士への処方箋
  競合不在がもたらす非効率性の温床
  研究からの示唆
  金貨の小括
  コラム 事業部門のエリアに出張して席を半日借りて仕事をする
7 きっと誰かが見ている
  不安や迷いを抱える組織内弁護士
  「認められない」苦しさとの向き合い方
  組織内弁護士として最も苦しかった時期
  金貨の小括

第5章 世界のAirbnb で学んだ7枚の金貨
0 第5章のゴール
  第5章のゴール
  第5章の要旨
  「きっと誰かが見ている」というエールは続く!
1 たくさんの「師」を見つける金貨と注意点
  非連続の成長は「師」から
  無数の「師」を「長所ごと」に持つという選択肢
  𠮟ってくれる「師」
  金貨の小括
2 準備×100 = エクセプショナルな結果を出す金貨
  準備×100に立ち返る
  総論と4つの事例
  実践例⑴―Airbnb 入社初日(シンガポールにて)
  実践例⑵―専門家による期末自己評定書類の添削
  実践例⑶―日々のビデオ会議・対面会議
  実践例⑷―大切な会食
  金貨の小括
  コラム 他部門との摩擦から協働する金貨へ
3 Airbnb流!⑴―8割の力を2割の上位の仕事へ充てる
  マインドセット転換のきっかけ
  仕事のインパクトを見極める
  真面目さが招く落とし穴
  パレートの法則と柔軟な優先順位の再評価
  金貨の小括
4 Airbnb流!⑵―魔法の言葉「Happy to Help」
  Happy to Help という金貨
  Happy to Help との出会い
  ポライトネス理論と弁護士の視点
  実践例
  金貨の小括
5 組織内弁護士の約40%を占める女性
  女性と組織内弁護士
  近年の研究が示す弁護士のジェンダーギャップの実情
  多様なキャリア選択へのデータと視点
  金貨の小括
6 AIに熟達して、弱点をチャンスに大転換
  AIという金貨
  次世代の組織内弁護士の課題第1位―語学
  原子力に匹敵する人類の発明
  コラム 一歩前へ! AIと組織内弁護士
  AIによる弱点克服例⑴―英語
  AIによる弱点克服例⑵―メンタルタフネス
  AIによる弱点克服例⑶―EQを高める対応
  さらに未来を見据える―日本語の参入障壁
  金貨の小括
7 Airbnb 流!⑶―best version of you を支える上司
  Airbnb で出会った上司から学んだこと
  自己流マネジメントとプレイングマネージャーの限界
  best version of you を引き出すマネジメント
  肩書よりも人間性で導く
  コラム ホンダの創業者本田宗一郎氏の考え方
  金貨の小括
補論 臨床法務技術としての「リーガルリスクマネジメント」

第6章  組織内弁護士が組織外への活動を広げる7枚の金貨(副業研究)
0 第6章のゴール
  第6章のゴール
  第6章の要旨
  コラム 副業の探求は次世代(Z世代)の価値観にも合致
1 計画の金貨―PlanA・PlanB・PlanZ
  ABZプランニングとは何か
  ABZプランニングを作ってみよう
  金貨の小括
2 副業研究⑴―執筆
  会社外の執筆のための金貨
  執筆機会に恵まれた組織内弁護士の秘密
  執筆期限を守らない弁護士が多いことはチャンス
  コラム 即レスしない組織内弁護士は損?
  執筆の扉を開ける社内調整術
  金貨の小括
3 副業研究⑵―講演・登壇
  会社外の講演のための金貨
  主催者はあなたに気を遣ってしまう
  尊敬する起業家の「なぜ100回リハーサルしない人がいるの?」という言葉
  スマートフォンやZoomの録画機能でリハーサルを撮影する
  金貨の小括
4 副業研究⑶―政府検討会のメンバー
  政府の検討会メンバーに興味を持ったきっかけ
  政府検討会へのルート吟味
  初委員(法務機能の在り方研究会)での工夫と裏側
  金貨の小括
  コラム 政府検討会のお仕事
5 副業研究⑷―スタートアップ顧問
  会社外の弁護士業務
  パートタイムCTOが着想のきっかけ
  パートタイム法務部長とは?
  コラム JILA兼業・副業倫理行動指針
  金貨の小括
6 副業研究⑸―社外役員
  組織内弁護士が社外役員に
  金貨を磨き、「挑戦したい」と周囲に宣言する
  金貨の小括
  7 副業研究⑹―お金に働いてもらうこと
  お金に働いてもらうこと
  投資への固定観念を超えて
  組織内弁護士が「経済的自由」を持ったとき
  複数の収入源が専門家の自律性を支える
  金貨の小括
  コラム 弁護士が推薦する不動産投資入門書3選

第7章 個人を超え、他者・社会に貢献するための金貨
0 第7章のゴール
  第7章の要旨
  他者・社会への貢献が成長を叶える? なぜ?
  ご自身のタイミングと着想で始めましょう
  コラム 自己から他者へ―内観療法
1 小さな一歩から―ビル・ゲイツ理論ほか
  会社内で培った問題発見力と解決力
  仕事外での「Happy to Help」の効用
  ビル・ゲイツ理論
  金貨の小括
2 学恩に報いる―毎月3万円×166か月のアイデア
  忙しい日々が恩師・母校を遠ざけるのは自然
  自己肯定感・自己効力感を高める効果
  学恩返し貯金
  学べることは当たり前ではない
  金貨の小括
おわりに

【購入者特典!】年代別 組織内弁護士が引用したい50の金言リスト(保存版)
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*著者の個人の見解であり、所属する企業・団体の見解ではありません。
*漫画編はすべて創作であり、登場する団体・人物は実在のものとは関係ありません。

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