家庭の法と裁判 2020年12月号<特集:少年の裁判員裁判>vol.29

本体 ¥ 1,800
¥ 1,980 税込

著者:家庭の法と裁判研究会/編
判型:B5判
ページ数:168頁
発刊年月:2020年12月刊
ISBN/ISSN:9784817846952
商品番号:31009
略号:家判

商品情報

1号(2015年4月号)~23号(2019年12月号) 記事・裁判例の総索引はこちら(24号所収)
5年間に掲載された特集・解説記事や裁判例を通覧することができます!

家事事件・少年事件の最新動向を追う唯一の判例雑誌

◆特集 少年の裁判員裁判
廣瀬 健二(立教大学大学院法務研究科特任教授)
河畑  勇(釧路地方裁判所判事)
金子 陽子(元高松矯正管区長)
室橋 秀紀(東京地方裁判所判事)
村中 貴之(弁護士)

〇 裁判員にも分かりやすい審理とするには?
〇 少年院・少年刑務所の実態とは?
〇 少年のプライバシーや情操はどのように保護する?
〇 家裁移送・少年に対する量刑の現在の運用方向は?

<実務につながる裁判例解説が充実!>
収録裁判例
◇ 最高裁判例2件/◇ 家事関係裁判10件/◇ 少年関係裁判2件

最高裁判例
・ハーグ条約実施法の規定する子の返還申立事件に係る家事調停における子を返還する旨の定めと同法117 条1項の類推適用
(最一小決令和2年4月16日)

・詐欺罪につき実行の着手があるとされた事例
(最一小判平成30年3月22日)

<その他、実務をフォローする連載記事も充実!>
遺産分割事件のケース研究 第6回
「事例検討6 調停進行の具体的工夫を中心とした研究」
……など

目次

◆特集 少年の裁判員裁判
・少年に対する裁判員裁判の実務運用上の課題
廣瀬 健二(立教大学大学院法務研究科特任教授)

・家庭裁判所移送(少年法55条)の当否が争点となった少年の裁判員裁判の裁判例の分析と考察
河畑  勇(釧路地方裁判所判事)

・少年の保護処分と少年に対する刑罰~少年院と少年刑務所について
金子 陽子(元高松矯正管区長)

・裁判員裁判における少年に対する刑の適用実態と若干の考察
室橋 秀紀(東京地方裁判所判事)

・少年の裁判員裁判の実務上の諸問題─弁護人・付添人活動の視点から
村中 貴之(弁護士)

◆最高裁判例(2件)
・ハーグ条約実施法の規定する子の返還申立事件に係る家事調停における子を返還する旨の定めと同法117条1項の類推適用
(最一小決令和2年4月16日 終局決定変更申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 東京高等裁判所令和元年5月15日決定
    原々審 東京家庭裁判所平成31年1月23日決

・詐欺罪につき実行の着手があるとされた事例
(最一小判平成30年3月22日 詐欺未遂被告事件)

◆家事関係裁判(10件)
・被相続人の法定相続人である抗告人らが相続放棄の各申述をした事案において,抗告人らの各申述の遅れは,相続放棄手続が既に完了したとの誤解や被相続人の財産についての情報不足に起因しており,抗告人らの年齢や被相続人との従前の関係からして,やむを得ない面があったというべきであるから,本件における民法915条1項所定の熟慮期間は,抗告人らが,相続放棄手続や被相続人の財産に関する具体的説明を受けた時期から進行するとして,熟慮期間を経過しているとして本件各申述を却下した原審を取り消し,各申述をいずれも受理する決定をした事例
(東京高決令和元年11月25日 相続放棄申述却下審判に対する各抗告事件)
(参考)原 審 前橋家庭裁判所太田支部令和元年9月10日審判・令和元年10月3日審判

・妻である相手方が,別居中の夫である抗告人に対し,婚姻費用の分担を求めた事案において,幼児教育・保育の無償化は,子の監護者の経済的負担を軽減すること等により子の健全な成長の実現を目的とするものであり,かかる公的支援は,私的な扶助を補助する性質を有するにすぎないとして,同制度の開始を理由として制度開始月から婚姻費用分担額を減額すべきであるとする抗告人の主張を排斥した事例
(東京高決令和元年11月12日 婚姻費用分担審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所令和元年8月29日審判

・別居親である抗告人(父)が,同居親である相手方(母)に対し,前件調停事件の調停条項に基づく面会交流が実施されなくなったとして,未成年者らとの面会交流を求めた事案において,間接交流のみを認めた原審判を変更し,従前の父子関係,直接交流時の状況,未成年者らの心情等からすると,直接交流を禁止すべき事由は見当たらず,これを速やかに再開することが未成年者らの福祉に適うとして,直接交流を認めた事例
(大阪高決令和元年11月8日 子の監護に関する処分(面会交流)審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 神戸家庭裁判所令和元年7月19日審判

・別居中の妻である相手方が,夫である抗告人に対し,当事者間の子である未成年者らの監護者の指定及び引渡しを求めた事案において,これまでの監護実績に明らかな差はないところ,未成年者らが,父母の同居中の住居と同じ校区内で就学するなど従前からの生活環境によく適応していること,抗告人の監護能力と未成年者らとの関係に問題は見受けられず,未成年者らと相手方との面会交流も安定的に実施されていること等の事情を考慮すれば,未成年者らにとっては,現状の生活環境を維持した上で,県外の実家に転居した相手方との面会交流の充実を図ることが最もその利益に適うなどとして,相手方の申立てをいずれも却下した事例
(福岡高決令和元年10月29日 子の監護者の指定及び子の引渡しの審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 福岡家庭裁判所大牟田支部平成31年2月22日審判

・遺言執行者による推定相続人廃除の申立てを却下した原審判を取り消し,被相続人に対する暴力があったことを理由に,抗告審において長男の廃除を認めた事例
(大阪高決令和元年8月21日 推定相続人廃除申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所平成31年4月16日審判

・協議離婚時に公正証書で定めた養育費の額(合計月額15万円)が住宅ローンの支払に関する合意と不可分一体のものとなっており,合意の真の意味は,未成年者らの養育監護に使用される実際の養育費としては,住宅ローン月額支払額10万円相当額を除いた,月額合計5万円を抗告人に支払うことを約するものであるとして,同養育費の減額請求につき,住宅ローンに関する合意と切り離して養育費のみを減額することは相当でないとし,これを認めた原審判を取り消して,申立てを却下した事例
(東京高決令和元年8月19日 養育費(減額)審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 千葉家庭裁判所佐倉支部平成31年3月26日審判

・相手方が,抗告人に対して,未成年者の監護者を相手方と指定すること及び未成年者を相手方に引き渡すことを求めた事案において,相手方は未成年者を含む二人の子を連れて転居し,抗告人と別居を開始したものの,未成年者はその後,自らの意思に基づき抗告人宅に戻り,別居前から関係の良好であった抗告人との同居の継続を強く求めている一方で,相手方に対する不信感等から相手方との同居を拒んでいることなどを考慮して,原審判中未成年者に関する部分を取り消し,未成年者の監護者を抗告人と指定し,相手方の子の引渡しに係る申立てを却下した事例
(大阪高決令和元年6月21日 子の監護に関する処分(監護者指定,子の引渡)審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所平成31年1月11日審判

・相手方である妻が,別居中の夫である抗告人に対し,婚姻費用の分担を求めた事案において,原審は,家庭不和に陥った原因が専ら相手方にあったとまではいえないとして,抗告人による権利濫用の主張を排斥したところ,抗告審は,別居と婚姻関係の深刻な悪化について,その経過の根底には,相手方の長男に対する暴力行為とこれによる長男の心身への深刻な影響があり,相手方の責任が極めて大きいとして,相手方の年収,現在も抗告人が相手方の住む住宅のローンを支払っていることや,長男を養育し,その教育費等を支払っていることなどの経済的状況に照らせば,抗告人に対する婚姻費用分担請求は信義に反し,又は権利の濫用として許されないとし,原判決を取り消して相手方の申立てを却下した事例
(東京高決平成31年1月31日 婚姻費用分担審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所立川支部平成30年10月11日審判

・申立人と相手方は,子らについての親権を申立人と相手方の共同親権として外国において離婚が成立しているところ,申立人が相手方に対し,子らの親権者を申立人に指定するとの審判を求めた事案において,我が国の裁判所に国際裁判管轄があり,準拠法は日本法となる旨判断した上で,本件離婚は民事訴訟法118条の要件を満たすところ,外国における父母の共同親権とする定めが我が国においても有効とされる場合,民法819条6項に基づき,父母の一方の単独親権とすることができるとし,申立人の単独親権へ変更することが子らの利益のために必要であるとして,申立てを認容した事例
(東京家審令和元年12月6日 親権者指定申立事件)

・被相続人の養子である申立人らが,被相続人の他の養子を相手方として,被相続人の遺産の分割の審判を求めた事案において,被相続人の遺言の効力等に関して当事者間に争いがあり,その効力等の如何によって,相続人の範囲や各自の相続分が大きく左右される状況にある上,申立人らが,これらの争いを民事訴訟により解決すべく,その提訴を準備中である状況下において,上記訴訟の結論が確定するまでは,遺産の全部についてその分割をすべきでないとして,審判日から2年間,分割を禁止した事例
(名古屋家審令和元年11月8日 遺産分割申立事件)

◆少年関係裁判(2件)
・第1種少年院を仮退院した少年(当時15歳)に係る戻し収容申請事件において,20歳までである法定の収容期間を変更する趣旨ではない旨説示しつつ, 主文にて審判の日から1年間となる期間を明示して第1種少年院戻し収容とした原決定につき,重大な違法があり,収容期間を定めたかのような誤解を招く決定主文を審判において告知したとの誹りは免れないとし,これを取り消した事例
(福岡高決令和元年9月13日 第1種少年院戻し収容決定に対する抗告申立事件)

・ゲーム依存状態にあった当時14歳1か月の少年が,ゲーム場所を確保しようと考え,空き家であるかを確認するために居宅に侵入したという住居侵入保護事件において,少年を児童自立支援施設送致とした原決定につき,収容処遇となると少年が希望する来年度の高校進学が相当に困難になること,特に悪質な事案ではないことなどを指摘し,基本的に社会内処遇を選択するのが相当として,これを取り消した事例
(広島高決令和元年8月28日 児童自立支援施設送致決定に対する抗告申立事件)

◆連 載
・遺産分割事件のケース研究
第6回 事例検討・ 調停進行の具体的工夫を中心とした研究
山城  司(長野地方・家庭裁判所松本支部長判事(前東京家庭裁判所判事))

・少年矯正の現場から
第17回 性非行のあった少年の鑑別~MJCA(S)の活用~
原田 杏子(矯正研修所効果検証センター効果検証官補)
山木麻由子(矯正研修所効果検証センター効果検証官補)

PAGE TOP